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安らぎの仏教世界へ

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日常生活の中で気楽に触れられる仏教を目指します。暮らしに安らぎと気づきを。 毎週日曜日に更新予定です。
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記事一覧

老いを受け止める-四苦八苦

何年かぶりに眼鏡を作ったら、前のものと比べて、かなり度が強くなっているそうです。 私はこれまで近視に乱視が入っているとのことで、レンズも厚めでした。視力は0.3 か 0.5 くらいはあって、遠くが霞むなんてこともなかったのですが。 老眼になったら近視と遠視が相殺されて軽くなるのかなぁ、などという淡い期待をしていましたが、世の中そう上手くはいかないものですね。 さらにレンズが厚くて重たくなってしまいました。💧 もう、こうなっては素直に受け止めるしかございません。 誰もが

「無財の七施」

 一般的に「布施」というと、金銭のことを想像しますが、お金を伴わずに行える布施があります。それが「無財の七施」です。各宗派によって違うようですが、概ね同じと思われます。  ここでは、曹洞宗の項目を見ます。  人に接する時は常に優しく穏やかに。見返りは始めから考えられもせずに成される奉仕の行動・・・・。  それが自身にも安らぎとなるのです。  そんなこと言っても、やっぱり恨みたくなることもあるでしょう。私もありますよ。そういう時は、好きな事やってパーッと忘れるほうが良いの

故知般若波羅蜜多~般若心経

「般若心経」も、いよいよ最後のクライマックスです!  もうひと踏ん張り! 故知般若波羅蜜多大いなる智恵をもって、 是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪 それは、大いなる仏の言葉であり、明らかなる仏の言葉であり、それ以上ない仏の言葉であり、並ぶものなき仏の言葉であり、 能除一切苦 真実不虚 一切の苦を取り除く。真実は揺るぎないものてある。 故説般若波羅蜜多呪 故に、大いなる智恵の言葉を説こう。 即説呪曰 それはすなわち・・・ 羯諦羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提

無苦集滅道~得阿耨多羅三貌三菩提

無苦集滅道「苦」もなく、それを集めることもなく、それを滅することもなく、そのための道もない。無智亦無得以無所得故 智恵がないということも、智恵を得るということもない。 菩提薩捶 依般若波羅蜜多故 菩薩(自ら悟りを開きながら、更に衆生をも優しく救わんと志す人)は、最高の智恵によって、 心無罫礙無罫礙故 無有恐怖 心に何も障りがたいので、何も恐れることはない。 遠離一切 顛倒夢想 究竟涅槃 一切の迷いや煩悩から離れ、最高の安らぎの世界へ至った。 「苦」あればこそ・・・。

舎利子是諸法空相~乃至無老死亦無老死尽

舎利子是諸法空相不生不滅 不垢不浄 不増不減 シャーリープトラよ。全てのものは「常に移り変わり、姿を変えるもの」であり、それぞれがそれ単独で存在を認められる力を有していない「不安定で不確実なもの」に他ならない。 それ故に、生まれるとも滅するとも言えず、穢れるとも清らかであるとも言えず、増えるとも減るとも言うことは出来ないのである。 是故空中無色 無受想行識無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法 よって、それぞれが感じ、思うこと、その対象となるものも全てが常に移ろい行く、不安定で不

照見五蘊皆空 度一切苦厄

観自在菩薩行深般若波羅蜜多時 観音さまは、悟りを深く実践され、 照見五蘊皆空 五蘊は全てが『空』相であると観て、 度一切苦厄 一切な苦しみから人々を救済している。 照見五蘊皆空 五蘊とは、私たちが持っている肉体と精神を指します。 (これは上記記事にも書いた内容ですが、また開き直すのも面倒でしょうから、コピーしておきますね。) 人は、これらから刺激を受けて、様々な考え方でそれぞれに行動しています。 でも時には、欲が更なる欲を生んで、”底なし沼”状態。 あるいは、一つの考え

仏説摩訶般若波羅蜜多心経

これからしばらくは、「般若心経」の本文をひとつひとつ観ていくことにしましょう。 仏説摩訶般若波羅蜜多心経「仏説摩訶般若波羅蜜多心経」は、訳すと『仏が説かれる、大いなる悟りの世界に行くための智恵の真髄』となります。 「摩訶」は、摩訶不思議の「摩訶」。サンスクリット語で『大きな』という意味です。 その次にある「般若波羅蜜多」もサンスクリット語で、音を漢字に当てはめただけ。 般若・・・智恵 波羅蜜多・・・ 仏教では、智恵とその実践とが揃って初めて『ことが成る』のです。 正しい

三世諸仏と三千世界(余談つき)

『三世諸仏』は、『過去』『現在』『未来』それぞれに仏がいることを指します。 一方『三千世界』は、いわゆるアパレル宇宙なのではないかと、私は思っています。それは「多元宇宙」と同じ概念です。 「法華経」では、お釈迦様が舌をとてつもなく長く伸ばして(いかにもインド?)、それが他の世界の仏のもとに届くという逸話があります。お釈迦様と時を同じくして、他にも『ブッダ』が大勢いるのですね。あるいは、永遠不変であるのか・・・。いずれにしても、とてつもなくスケールが大きな話です。 そう思

ルシャナの仏国土 覚者編

一.惑星ルシア この物語はプレアデス星団の中ほどにあるサルナート太陽系・第五惑星ルシアでの出来事である。  この星での人類は、火と剣と弓の次に水力発電と風力発電を発明し、文明は発展していった。  しかし、文明が発展していくにしたがって、村同士の縄張り争いから、民族単位での勢力争いに戦乱も拡大していった。七つある大陸の中でも幾つもの国に分かれ、それぞれが統一されるまで、二千年ほどの時を要した。  惑星市民条約機関が設立され、機能し始めたのは、ようやく統一されたばかりの各大陸そ

平和を守る種『無我』

 『自分』と『他者』を分けて考えていると、それはやがて苦しみの種になります。  民族が違う、宗教が違う、性別が違う、職業が違う・・・そんなにたくさん区別していて、いったい何になると言うのでしょうか。  「社会主義」と「資本主義」は何故『対抗』し続けなければならないのか・・・これもずっと疑問に思っていたことの1つです。  どこの国も、自国は正しいと思いたい。どの人も、自分は常に正しいと思い込んでいようとする。  何年か前に、日本でもありましたよね。交通事故を起こして親子

お経はどうして分かりにくい?

私が調べた限りにおいて、のお話ですが。 世界三大宗教の中で、最も多くの言語に翻訳されているのは、キリスト教の旧約・新約聖書です。自国語で教典を読めれば解釈の相違も少なくなるのですが・・・。 イスラム教は、神の言葉を歪めるとして「クルアーン(コーラン)」を翻訳することを禁じてしまいました。 それ故に、各地方で解釈が大きく異なり、女性は髪を見せてはいけない・全身を覆わなければならない・職業に就いてはいけない・神の名の下には戦争も辞さない・・・といった宗派も出来てしまったのです

[お詫び]色即是空の記事について一部訂正します

記事「色即是空は四字熟語じゃない!」において、「色」を十八界の1つと書きましたが、前半の「色」は、「五蘊」に入る要素のようです。 ここにお詫び申し上げ、今週中に当該記事を修正いたします。 お手数かとは存じますが、しばらくの後に再びお目通し下さいませ。 誠に申し訳ございません!

色即是空は四字熟語じゃない!(改訂版)

「般若心経」には、『無』が多いですよね。それで、何を否定しているのかというと・・・全ての『現象』です❗️ 仏教は、世界を認識する心のさまを多角的に3つの視点から解釈しています。 五蘊と十二処、合わせて十八界、まとめて三科と呼びます。 そして、「般若心経」には『色』が2ヶ所出てきますが、前半は五蘊、後半は十二処を指していると考えられます。 五蘊と十二処は、いわば1つの物を縦から見るか横から見るかの違いではないかと、私は思っています。 まずは五蘊。 色・・・物質的に『形ある

写経 ~静かな空間~

といっても、私には、お寺で正式な写経をしたことはありません。 あ、正式というよりは、「きちんとした場として」と言ったほうが正確かもしれないけれども。 出来れば体験してみたいんですけとね。身体的に不可能になってしまって。 そういう訳で・・・時折テレビで観る写経の様子を元に想像で書きます。 まず、写経をやっているお寺を探します。お寺でも、やっているお寺は限られているので、インターネット検索して予約、って感じかなぁ。 お寺で案内されて中に入るでしょ。机が並んでいていて、他