#1 安心して!昔から大和撫子は「推し」に狂ってるよ!
皆様、こんにちは。
ごきげんいかがですか。
マリナデシコです。
突然ですが、みなさま「推し」はいますか?
「います!」とお答えのあなた、素晴らしいです。
あなたこそ、日本が誇る大和撫子!
これからも、その調子で推しに狂っていきましょう!
「いないなー」とお答えのあなた、この国に生まれて“推し”がいないのは大変めずらしいです。
でも、大丈夫です!
今、「推し」がいないということは、これから見つかるってことですから!
なぜなら、この国の乙女の大半は、200年前、いえ、もっと昔の1000年前から、「推し」に狂ってたからです!!
私たちの大先輩である、昔の大和撫子たちは、二次元三次元に関わらず、“推し”にキュンキュンしてました!!
さあ、大先輩たちの推しに狂った姿をご覧あれ!
今の小説や漫画のような“二次元推し”のパイセンたち
「アニメが好き」
「マンガが好き」
「二次元キャラと結婚出来たらいいのになー」
フィクションだと分かっていても、魅力的なキャラクターや素敵な物語には憧れちゃいますよね。
現実には存在しないからこそ、より美しく、より尊いもののように思えます。
でも、さすがに、この御方の推しへの愛には敵わないと思います。
「物語がすごく好き! ぜんぶの物語を読みたすぎて、自分と同じ身長の仏像をつくって、床におでこをつけてお祈りするわ!」
「ずっと読みたかった物語を読める幸せに比べたら、みんなが憧れているお后様の位なんて、どうでもいいんですけど!」
どうですか、みなさま。
好きなものを手に入れるために、等身大の仏像をつくって、毎日必死にお祈り出来ますか?
好きなものを手に入れられるなら、一国のクイーンの座なんかいらないって言えますか?
はい。せーの、
「無理!!!」
ですよねー。
いやいや、さすがに等身大の仏像はちょっと……って思うし、なれるものなら、クイーンになりたいですよね!
ここまで覚悟出来る現代人は、ほとんどいないと思います。
(当時もほとんどいなかったと思うけど)
こんなアブナイ考えを持った人は誰かといいますと、今からなんと1000年くらい前の平安時代の女性です!
お名前は、藤原孝標女。
『更科日記』の作者です。
彼女が書いた『更科日記』に、さっきの“ちょっとやばい考え”が載っています。
『更科日記』の詳しい内容は別の記事でご紹介するとして、ここでは、藤原孝標女パイセン(以下、むすめパイセン)が、「二次元推しの元祖かも?」という部分だけを拾いますね。
むすめパイセンが10歳の頃、お父さんが千葉県中央部の役人に任命されたので、京都から千葉へ家族でお引越ししたところから日記はスタート。
その頃の関東地方は超田舎! 千葉どころか、東京も田舎です!
(約600年後の江戸時代に徳川家康が大規模な工事をするまで、東京(江戸)は沼ばかりの田舎です)
娯楽もほとんどないので、むすめパイセンが楽しみにしていたのは、お姉ちゃんと継母が話してくれる京都で読んだ物語のお話です。
継母「『源氏物語』良かったよねー」
姉「あの物語も面白かったよねー」
読みたくてたまらないけど、ここにはない。
みーんな京都にあります。
物語の内容を詳しく話して欲しいのに、お姉ちゃんと継母は細かくは覚えてないので、ぼんやりとした内容。
むすめパイセンが望むように詳しくは話してくれませんでした。
むすめ「こうなったら、仏像をつくるしかない!」
パイセンは自分と同じ背丈の仏像をつくり、
むすめ「早く私を京都に行かせてください! そして、物語をあるだけぜんぶ読ませてください!」
と、床におでこをつけて毎日必死に祈りました。
こわっ!!
なんでこんなことをしたのかというと、じつはこの時代、お願いごとがあると、自分と同じ身長の仏像をつくってお祈りすると願いが叶うとされていました。
それにしたって、若い娘が毎日おでこを床におしつけて、等身大の仏像に「物語をたくさん読みたい!」と熱心にお願いするのはヤバいと思います。
そんなヤバイむすめパイセンの願いは3年後に叶うのです。
続きます。
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