🌸#1 松竹梅はなんでおめでたいの?これで納得!おめでたい理由
皆様、こんにちは。
ごきげんいかがですか。
大和なでしこプロデューサーのマリナです。
2022年の後半はワールドカップで盛り上がりましたよねー。
サッカーに全然興味ない私ですが、日本代表のジャイアントキリングには胸が熱くなりました!
ロッカーを綺麗に使ったり、サポーターがゴミ拾いをする姿勢は、同じ国民として誇りに思いました。
日本はまだまだ捨てたもんじゃないですね! ゴミだけに!!
……冗談はさておき、ワールドカップってトロフィー以外にメダルももらえるんですね。
メダルといえば、金銀銅の3つ。
金>銀>銅の順で希少価値が高いから、この組み合わせなんでしょうねー。
我らが日本の文化にも、金銀銅と似たようなベスト3の象徴があります。
「松竹梅」です!
この3つが並ぶと、不思議とおめでたい感じがしますよね!
この3つ、なんでおめでたいんでしょう?
金銀銅は希少価値の順番なんだろうなと予想つきますけど、松竹梅ってどれも植物だし、梅よりも松の方が希少ってわけではないような?
(むしろ、梅よりも松の方がよく目にするような?)
桜の方が華やかだし、日本人が大好きな花なんだから、梅よりもいいのでは?
「なんかよくわかんないけど、そういうもんなんだな」と考えてしまったら終わりです!
ちゃんと意味があって、この順番なのです。
「松竹梅」は、なんでおめでたいの?
「松竹梅」がおめでたいのは、寒い冬(逆境)にも耐える姿が素晴らしいとされたから。
一言でまとめるとコレです。
ほとんどの植物が枯れてしまう冬でも、松と竹は緑色のまま雪をかぶり、梅は可愛らしい花を咲かせて、ほんのりと香ります。
人間ですら生きるのが厳しい冬でも、負けずに堂々としている姿が「立派で尊い」と考えられていたんですね。
だから、「松竹梅」=おめでたいものとなりました。
「松竹梅」の別名は「歳寒三友」といいます。
昔から、この3つはセットでした。
……と、ここまでだったら、辞書を見ればいいだけのこと。
それだけでは、つまらない!
ここからは、日本の伝統文化と照らし合わせて、
「おめでたい松竹梅が、どんなふうに日本文化に関わっているのか」
を掘り下げてみます!
「松」がおめでたい理由
一年中ずっと緑色で変わらない
神が宿る木
能舞台の鏡板に描かれている松
■一年中ずっと緑色で変わらない
松は春夏秋冬いつでも緑色の葉をしています。
寒い冬を物ともせず、立派な幹を持つ大木に成長する松。
「まるで、どんな大変なことが起こっても動じずに大きく成長する人間のようではないか! これは縁起がいい!」というわけです。
しかも、中国の伝説によると、仙人が住む蓬莱山には松があって、山の上空には松の葉をくわえた鶴が飛んでいるのだとか。
中国の伝説の島、蓬莱山は「竹取物語」にも出てきましたね。
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■神が宿る木
一年中ずっと緑のまま変わらない
中国の伝説の島にもあるらしい
「ということは……これってもう神が宿ってるのでは?」と昔の人が考えるのも当然ですね。
「松」は「神が宿る木」として信じられてきました。
「まつ」という言葉の音からは「待つ」が連想されて、「神を待つ木」とも言われています。
こういう言葉の連想が、日本人は大好きですね。
さすがは歌であらゆる感情を表現してきた民族です。
「羽衣伝説」の天女も、松のある浜に降りてきます。
松が「神が宿る木」だから引き寄せられて降りてきたのだと思います。
神社の境内に松が多いのは、「なんかそこら辺にあったんで、適当に松を植えておきました」ではなく、「松には神が宿るといわれているから松を植えました」というわけなのです。
お正月に飾る門松も、歳神様(山の神、祖先の神など)が降臨するために飾りますよね。
■能舞台の鏡板に描かれている松
能の舞台上にある「鏡板」には、老いた松が描かれています。
松は「神様が宿る木」で神聖だから、舞台に描かれていてもおかしくありませんが、なぜ「鏡板」っていうんでしょうか?
松に神様が宿るなら、それが描かれている板の前にいる役者たちは、神様に背中を向けて演じていることになります。
日本の伝統芸能は、基本的には「神様に捧げるもの」とされているので、背中を向けているのはちょっと違和感。
でも、役者が松が描かれた板に向かって演じたら、背中を向けられたお客様は何をやっているのか見えない。
そこで「鏡板」なのです!
この板は鏡。
つまり、鏡に映った松。鏡に映った神様。
役者はお客様の方向を向いても神様に背中を向けたことにはなりません。
なぜなら、後ろの鏡板には松(神様)が映っている。
つまり、お客様と同じ側に神様もいらっしゃって、そのお姿が松となって後ろの鏡に映っている。
だから、お客様に向けて演じているのは、神様に向けて演じているのと同じ。
以上、私が能楽師の方からうかがった鏡板のお話でした。
続きます。
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