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タクシー会社で全力坂を始めたわけ ~面白いじゃんの一言が全ての始まり~


「Instagramで君を見たんだけど、会社はどうして君を走らせているの?」
大学を卒業し、就職して3か月経ったある日。アメリカの友人から来た久しぶりのメッセージがこうだった。私はその質問に
「走りたいから。楽しいのよ。」
と返した。

彼がその疑問を持ったInstagramの投稿内容は、日本交通新卒採用担当のアカウントで私がスーツ姿にパンプスを履いて坂を全力疾走する【全力坂】の動画である。
※全力坂…テレビ朝日で放送されている東京の数ある坂をアイドルや女優など売り出し中の女性タレントが全力で駆け上がる番組。

日本交通に入社し、新卒採用担当としてお仕事が始まった当初、私は学生さんの個人情報の管理や、選考に合格された学生さんへの内々定通知書の作成と郵送を主に担当していた。
最初は失敗したらどうしようと不安でドキドキしながら作っていた書類も、慣れてくると郵便局が閉まる17時近くギリギリまで作成する余裕も出てきた。なるべくその日のうちに一通でも多く郵送できるようにと時間配分が出来るようになってきた。
しかしある日時間に間に合わなくなりそうになり、ダッシュでオフィスから郵便局まで走った。オフィスから郵便局まではすぐ近くだが、郵便局まで坂がある。名前はいちょう坂。

ある日の仕事終わりに同期がヒントをくれた。
「横溝ちゃん、会社の公式Instagramを担当しているよね?いつも通知書作ってくれて郵便局まで行くのに坂を走っているし、全力坂やってみたら?面白そうじゃん!」
その言葉を聞いて、同期もみんなお互いの仕事を見てくれているんだなと嬉しく感じた。同時に「そのアイディアは面白そうだな」と思い、いつもの仕事風景の一環として、後日自分が通知書類を入れたバッグを抱えていちょう坂を走る動画を撮影した。完成した動画は上司に確認してもらいつつ、投稿した。
【実際の動画】
https://www.instagram.com/reel/CQOD4r1n6Qz/

投稿したその日のうちに、なんと再生回数が1000回を超えた。それまでInstagramのIGTVで再生された動画は多くても500回いくかどうかだった。日本交通新卒採用の公式Instagramで初めてリール投稿をしたが、まさかここまで反響が出るとは思わなかった。後日上司が一言。
「面白いね。これシリーズ化しようか。」
仕事から新たな仕事が生まれた瞬間だった。

今では普段の業務に加えて、本社付近の坂で全力坂するのが私のアイデンティティになりつつある。
冗談みたいなことでも「まずやってみたら?」と形にしてしまうのが日本交通らしいなと感じる。そこがこの会社の面白いところでもあり、好きなところ。


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