ピアスキーマ療法グループラインに参加することを検討している人へ


【ピアスキーマ療法のグループはどんなグループか?】


・基本的にピア治療を目的とします。

ピア治療を目的とするために、全員が全員のためのカウンセラーであり、全員がクライエントであり、全員がグループの運営者であることを目指します。

・上記の項目を達成するために、このグループでは代理学習期間とセルフモニタリング体験期間という、2つのステップ(詳細は後述)を用意しています。その2つのステップを達成したのち、ピア治療を行うピアメンバーになります。

・ピアメンバーはピア治療を行うため、必要があればメンバーのための緊急対応を行うことがあります。

過去の例
〇悪い状態(スキーマ療法の言葉で、非機能的なモード)になっているメンバーが良い状態になれるようにガイドを行う(スキーマ療法の言葉で、グッドペアレント的な対応をする)。これは文字でのやりとりのこともあれば、通話のこともある。より危険な状態になっているときは本人の状態の確認のためビデオ通話で対応する。
危険度が高い状態にメンバーが陥ったとき、警察または救急車を呼んで、メンバーの安全を確保する
例)・過剰服薬、飲酒をしたメンバーの家に救急車を呼ぶ
・病気の症状で泣き叫んで混乱しているメンバーの家に警察を呼ぶ
・ストーカーされていつ刺し殺されるかわからない状態のメンバーのために警察をいつでも呼べるように待機する。
・障害の症状で記憶を無くし外をさまよい歩いているメンバーの安全確保のために声掛けと迎えに行くそのメンバーの保護者に連絡をする。

・このような緊急対応をするために、ピアスキーマ療法グループでは緊急対応マニュアルを用意しています。それに沿って対応することで特定のメンバーだけに責任がかからないような仕組みにしているので、必ずマニュアルは一読し、緊急時にはそれに沿って行動してください。

緊急対応のほとんどは正規ピアメンバーを中心に行います。(しかし、現在は正規ピアメンバーの人手がたりないため)代理学習期間、セルフモニタリング体験期間の人が緊急時にどのように行動したらよいのかについてもマニュアルに規定してあるので、一読し、緊急時にはそれに沿って行動してください。

【新入参加したら必ずやること】


・新入参加したら、新入参加した目的と、新入参加者も含めメンバーのプロフィールや生活環境を共有するオンライン会議が開かれるので、そこに参加してください。
ピアスキーマ療法では普通の自助会とは異なり、それぞれのメンバーのピア治療を目的とするため、上記のように私生活に踏み込むような項目の共有は必須となります。

新入参加したら、初めに共有されるスキーマ療法についての基礎知識をまとめたnoteを読み、基礎知識をつけてください。これは代理学習の期間を使ってやってください。紹介されている参考書籍を読むと尚良いです。

【新入参加の手順】


1.「代理学習」からスタート
・緊急対応時は、既読をつけた場合、誰が既読をつけたのかわかるように、既読をつけた段階で「ここまで既読」と投稿(スタンプ代用可)。
・スキーマ療法の知識に関する質問をメインに、できる範囲のモニタリング(自動思考とか)など投稿可能
・代理学習中はメンバー同士のやりとりをよく読むこと(観察)。
・メンバーのモニタリングを読み、モニタリングのやり方を学ぶこと。
・代理学習の期間は1-2ヶ月までとする。(要検討)
→1ヶ月の時点で次の段階に進むか確認。
→2ヶ月の時点で強制的に次の段階へ。
1ヶ月、2ヶ月のタイミングで合わないと感じて抜けるのは問題ない

2.「セルフモニタリング」体験期間
正規ピアメンバーになると決めた人が進む段階。代理学習期間を経て正規ピアメンバーになれないと思った人はグループを辞めて良い。

投稿の全てをセルフモニタリングのみで行う(セルフモニタリングの訓練)。
・自分が投稿したセルフモニタリングについたコメントへの返事もセルフモニタリングで行う。
・セルフモニタリングをする際は、グループのノートに提供されている資料を読みながらモニタリングに必要な知識を得られるようにモニタリングする。
・モニタリングは最低でも3日に1度、できれば毎日投稿する。
・モニタリング体験期間は1ヶ月とする。
(要検討)
この段階で合わないと感じたら抜けるのは問題ない。

3.ピアグループのメンバーとしてピアスキーマ療法に参加する
ピアメンバーになったら、前提として、全員が全員のためのカウンセラーであり、全員がクライエントであり、全員がグループの運営者であることになる。
・当番制に参加する義務が生じる。
・概念図&エピソード集を自作する義務が生じる。
・自分の「限界設定」を作って公開する義務が生じる。
・月1の定例会への参加の努力義務が生じる。
・その他、ピアグループのルールやマニュアルに従う義務が生じる。


【ピアグループの限界設定(ルール)】

1.私生活第一の原則
ピアグループは私生活の向上のために存在するのであり、ピアグループの向上のために私生活を犠牲にしてはならない。ただし、グループ運営のための最低限の当番制のための生活の犠牲はメンバー全体で分割負担する。

2.自己犠牲の禁止の原則
ピアグループのメンバーのために自分の限界を超えたサポートを禁止する。過剰な自己犠牲はスキーマ刺激やモードのトリガーになるため、メンバー間トラブルの原因となりうる。また、1の原則にも反する。
自己犠牲をしているメンバーに気がついた他のメンバーは「自己犠牲してるよ」などよ声かけを行い、気づかせる。

3.メンバー個人同士の相談の禁止の原則
ピアグループに所属する者はたとえグループ入会前に親しい間柄だったとしても、メンバー同士の個人的な相談を禁止する。偶発的に生じてしまった場合は、必ずグループに事後報告をする。これは閉鎖空間での自己犠牲と依存的関係構築の防止のためである。
【過去にこの原則を破った結果、自殺者が出ているため最も重要な原則とする。】

4.ピア以外の救済不可の原則
ピアグループはたとえメンバーの重要他者であったとしても、ピアグループに所属しない者に対するサポートを行わない。ピアグループはメンバーの生活向上を目指すこと、救済を目指すことで手一杯であるため、ピア以外へのグループの協力は2の原則に反する。

5.専門機関受診の原則
ピアグループはそれぞれに問題を抱えるメンバーで構成されているため完全なサポートをすることは不可能である。抱える問題が大きすぎるメンバーには、可能な限り適切な専門機関を推奨する。そのためのサポートをグループは行う。2の原則に反さないためのルールでもある。

6.定例会参加の原則
グループラインだけでは学びきれないこと、ラインが苦手な人がいることから定期的に定例会を開催する。1に反さない限りでなるべく参加する。関西組も定期開催して関西組独自に定例会をしてほしい。3月7月9月12月に私が関西の定例会にも参加する。(頻度は要相談)

7.当番制参加の原則
セルフスキーマ療法の人ではなく、ピアスキーマ療法に参加している人は、ピアグループの運営に関わることを義務付ける。セルフスキーマ療法の人は原則として当番に参加しなくてよい。
これは一部の人が自己犠牲により運営をするという2の原則に反さないための、妥協的原則である。

8.セルフモニタリングの原則
何かトラブルが起きたときは、【ヘルプ要請】以外は、自動思考を投稿する前に出来る限りセルフモニタリングを投稿する。セルフモニタリングで自動思考を吐き出しても収まらない場合、グループに直接的な言葉で投稿してもよい。ただし、メンバーはトラブルに対応するときはセルフモニタリングのみにコメントすること。ただの吐き出しの投稿(セルフモニタリングの形式に乗っ取らない投稿以外全て)にトラブル対応(対応者の主観としてトラブルに対応してるという気分になる対応)としてコメントすることは禁止する。これは2の自己犠牲禁止の原則を守るための原則である。

9.ワンオペ対応禁止の努力原則
モニタリング対応にあたるとき、対応者はなるべく1人で対応しないようにする。第一発見者の対応者はメンションなどで全員に「誰か他に対応できる人いますか?対応は私がするので、私のサポートをしてください」など、積極的に仲間を増やす心がけをすること。また、最初に他の人が1人でモニタリング対応しないようにサポートする。
サポートとは、「読んでるよ」という声かけから具体的な対応まで幅広く指す。また、既読無視は厳禁とする。対応者は既読無視をされると対応中におおきなダメージを負うので、あまりにしんどい時は既読をつけずに未読のままにしておくこと。もし既読をつけてしまったら、「対応無理です」とコメントすること。
これは2と3の原則を守るための補助的原則である。

10.1対1通話の制限の原則
自立訓練のため、ピアグループでは作業通話をするメンバーもいるがなるべく3人以上で行う。2人で通話するときは、緊急対応時を除いて互いにヘルシーなときのみとする。
2人で通話している最中に相手のヘルシー度が下がり、「トラブル対応案件」になったときは、「ワンオペ対応になってしまうから一度通話を切ろう」と伝え、相手にモニタリングをするように促す。
引き続き、通話での対応が必要な緊急対応と判断して、応援を要請しつつ、マニュアルに従って対応する。通話終了後、通話内容の報告を行う。
これは9の原則を守るための補助的な原則である。

11.ピアグループの活動時間
緊急対応を除いて、当番を含み、活動時間は7:00-24:00とする。24:00-7:00の間に投稿することは禁止しない。24:00-7:00の間に投稿へのコメント返信を禁止する。
禁止するのは、巻き込まれ自己犠牲しやすいメンバーの生活をなるべく強制的に守るためである。ルール違反をした場合、責任は違反者に付随する。ルールを守ることで責任の分散とマニュアルへの責任転嫁が可能となるため、ルールの厳守は自己防衛のためである。

12.緊急対応全員参加の原則
緊急対応はマニュアル通りにすればよいので、対応者に責任が生じることは全くない。責任があると感じる人は、それはモードの問題なのでモニタリングをすること。
緊急対応の種類
①Aさん
→Aさんの自己申告があったときに発生する。申告のないものを捜す必要はない。
→Aさんの作ったAさん用緊急対応マニュアルに従えばよい。
②「ヘルプ要請」
→メンバーから「ヘルプ」という単語が送られてきたときに生じる。ヘルプと言われないものはツイッターなどで緊急性が高そうでも手出ししない。本人からの申告を待つ。
→ヘルプ要請があった場合、まず相手の状況を確認する。確認後、メンションで応援を要請しつつ、確認して得た情報をもとにマニュアルに従って行動する。
→相手の状況を確認するためのフレーズ集はマニュアルにつけておく。
→マニュアルはどこにあるかだけ把握しておけば、頭に入れておく必要はない。緊急対応が発生した時のみ、辞書的に用いればよい。

13.概念図作成と限界設定の原則
自分のスキーマモード概念図は自分で作る。コメントをもらうことはOK。自分のスキーマモードを理解し、生活との兼ね合いも含めてグループへの参加の仕方に関して個々人で限界設定をし、公開する。


【当番制の中身】まだ実行されていない

●事務作業
1.当番の日に「モニタリング入力フォーム閲覧用スプレッドシート」を確認し、改行など閲覧性を高める作業をする。
→余裕のある人はスキーマやモードや中核的感情欲求に赤入れをして知識を増やす。

2.金曜日に当番した人は「1週間の報告会」の呼びかけを行う。

3.当番の日に新入参加があった場合、このノートをコピぺで紹介する。過去のピアグループのログを取得してピアグループに投稿する。

●対応関連
1.当番の日に明らかに見て欲しいという意図のあるセルフモニタリング(入力フォームを使わないピアグループに直接投稿されたモニタリング、入力フォームを利用したが「モニタリング投稿しました」という自己申告のあるモニタリング)が投稿されたら、(練習の意味も込めて)なるべくスキーマ療法的なコメントを短くてもいいからする。

2.緊急対応は当番制から除外する。


【その他】


・このルールに賛同できない(2020年4月以前参加の)既存メンバーはセルフスキーマ療法組に入ってもらうこともできる。
・新規メンバー(2020年4月以降)とピアスキーマ療法のメンバーのみにこのルールを適用。
・ピアスキーマ療法組は当番ではなく、特性に合わせて係を作ってしまうのもありかも(仮)。


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