【本】邱永漢の「予見力」
ワイナリー経営者で画家の玉村豊男先生のサイン会に行った時に見つけた本。金儲けの神様こと、邱永漢氏の中国での農業ビジネスやプロジェクトに先生が同行し、インタビューを交え編集したもの。
邱永漢氏は名前こそ知っていたが、「お金に詳しい人」程度しか知らなかった。
この本は2009年に発刊されているから、氏が亡くなる3年前、85才で中国を舞台に永田農法による大規模農業に取り掛かった頃だ。
そのバイタリティに驚く。
本書では、玉村先生が邱氏の投資視察団に同行し、見聞きした話が書いてある。
株の神様が和牛を飼い、トマトを作り、コーヒーを植える。
農産物を 作るだけでなく、売り方まで考えているのがさすがといえばさすがだ。付加価値の付け方が、やはりすごいなぁ、と思う。
背景にあるのは、中国経済と中国マーケットへの予見力と、農業に対する危機感か。
今から10年以上前に書かれた本だが、中国の経済成長、特に2億人とも言われるニューリッチ層の台頭など、ほんとだ、と思うところばかり。
こうした予見力は氏の生い立ちや、生存競争の中で生きてきた経験、現場を見る、自分の目で確かめる、好奇心をもつ、すぐやる、などから構成される。
(言葉にするのは簡単だけど、、。)
玉村先生は、「熱い魂を持った冷徹な現実主義者」と評する。
氏が中国大陸を縦横無尽に駆け抜ける様が痛快な、読んでいて元気が出る本。
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