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太陽よりも優しく照らす月になりたい

見切り発車だから
これからの1ヶ月間は何のテーマを
noteに綴ろうかと迷っている。

書きたいことと読みたい内容は違うだろうが
今は書きたいことを綴らせてもらう。

今日のテーマは
『太陽と月』についてだ。
私は太陽よりも月のような存在でありたいと
常々思って生きている。
それについて考えるきっかけが
あったのでここに残すことにする。

私は美術館巡りが趣味のひとつで、
2023年10月26日から2024年1月14日まで
中之島美術館で開催されていた
テート美術館展 
光 ― ターナー、印象派から現代へ
を訪れた記憶をお伝えしたい。

そもそも、
わたしが美術館巡りにはまったのは、

2018年7月21日から10月14日まで
国立国際美術館で開催されていた
プーキシン美術館展
― 旅する風景画
がきっかけだ。

印象派の作品がたくさんあり、
中でもモネの作品に
ときめきを感じ、
色が重なり合う美しさや
タッチの力強さに虜になってしまった。

そこからというもの
モネの作品があればひとりで
見に行ったり、気になったものは全て訪れた。

1人で行く理由は
その世界にどっぷりと浸って
思う存分にその空間を味わえるから。
友人と行く時はこの人と。と決めているが、
いまは彼女は島根にいるのでいけない。

だからひとりでいく。
美術館に行った際は
後ほど彼女に思ったことや
写真やポストカードと共に手紙を
送り合って共有している。

最近のお決まりは音声ガイドを借りること。

音声ガイドには
その作品の背景や画家自身のことが
たくさん語られている。

その時々に語られる言葉は
とても美しくて、はっとされるものも多い。
印象に残ったものはメモに残している。

特に心にずっと留まっているのが
テート美術館展での言葉だった。

200年をかけて芸術家たちが
触れられない光についての効果を
様々な角度で表現した110点以上の作品が
展示されていた。

板垣李光人さんが
つとめられていた音声ガイドは
この言葉から始まる。

『この世界は光に満ち溢れています
  眩しい太陽
  夜空に瞬く星
  青白く輝く月
  あたたかな灯火

  光があるからものが見えると同時に
  その見え方は光によって
  如何様にでも変わります

  何を照らしどうみるか』

光の世界に引き込まれるように
繊細で心地よくてあたたかい気持ちになった。

この言葉をメモに残した時
何回でも眺めれるとさえ思った。

展示を見終わったあとに
思ったことは、

『美しいものには影がある
影があるからそのものが輝いて見える』

『どの視点から見るかで
そのものの見え方は変わる』

ということだった。

これはきっといろいろなことに
落とし込める考え方で、
美しく見えるものも
違う面から見えると見え方が異なり
あまり美しくないようにも見える。
美しくない面があるからこそ
より輝いて見える。

光と影
太陽と月 など
どれも対比に使われる言葉だか
それぞれが共存しているからこそ
どちらも美しく思える。

光と影がある中でも
1番私たちに身近に感じるものは
月ではないだろうか。
または夕暮れに見る自分の影かもしれない。

太陽は、日中わたしたちに
溢れるくらいの光を届けてくれる。
しかし夜になると太陽は隠れて
優しく静かに寄り添うような
月の光の下で人々は眠る。


月と聞くと思い出すことは
私が大好きな漫画の
『花より男子』の月の話だ。

小学4年生の冬に
4ヶ月入院していたことがあった。
暇な時間に読んでみたらと
母が友人から借りてきたものだった。
中学生で大人買いをしてからは
実家に置いている。
年に一回は見ないと
その年は越せないような感覚になるくらい
唯一大好きで大切な漫画だ。
私のバイブルのひとつだと思う。

36巻の番外編に
美作あきらの単独エピソードがある
それが太陽と月のお話しだ。
彼は漫画の中でも
あまり注目されて語られているものは少ない。

『俺は太陽の影に隠れる三日月だ
満月になれないクレセントムーン』

という台詞がある。

F4の中ではいつもサポート役で、
彼の優しさに胸がギュッとなる
エピソードが描かれている。

人はそれぞれ性格も、
置かれる立場も、輝ける場所も違う。
だが、月のような優しい人がいるから
太陽は輝けるのだと思った。
また月の存在を認識した時により
儚い美しさを知った。

小学生のときに出会ったお話しだが
そのときから太陽より月が好きだ。

キラキラ輝いて人気者のような太陽よりも
優しく夜を照らしてくれる月になりたい。

28才になった今でもなお、
月のような人になりたいと思っている。

テート美術館展で
いろいろな光についてたくさん見てきた。

いつも目にしている光を
触れられない光を
どのように捉えようかと
試行錯誤されている作品たちは
改めて大切なことを教えてくれた。

当たり前に存在しているから
普段ならあまり気にかけることはないが、
光の中にいるときは影なんて感じないし
その存在に感謝をすることもない

だが、改めて光について考えた時
光とともに影があり
影のおかげで光が美しく見えること

影のなかでも光があることを
教えてくれた。

私にとってテート美術館展は
光と影が共存する優しさを教えてくれた。

今日も夜がやってくる、
月の光がどうかあなたの心を優しく包んで、
明日きたる光を届けてくれますように。

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