美容師と夜の蝶。


こんばんは。

宣言通り、8月中にまた参上いたしました!
自分を褒めてあげたい!


ということで、タイトルのわりにはそんなに引きがないかもしれませんが、少し思い出話でも。


美容学生時代のアルバイト

私は美容学校に通っていた頃、キャバクラでバイトをしておりました。
と言ってもキャバ嬢ではなく、キャバ嬢さんたちのヘアメイクの仕事です。

地方独特だったのかもしれませんが、私の地元ではお店ごとに数人のヘアメイクスタッフを雇っていて、そのほとんどが美容学生でした。

といっても2年で卒業→就職してしまうので、同じ学校の先輩が一年生に声かけて代替わりしていく、という感じで。

私も入学してすぐに、うまい具合にお声がかかりまして。

おかん、激おこ

激おこってもう古いのかな…

とはいえ勤務地は当然夜の歓楽街。

当時実家暮らしの私がそのバイトをしたいと言ったとき、母親が猛烈に反対しました。

まだ学生で未成年(当時はまだ成人が20歳)の身で危ないから、と。

でも私はどうしてもやりたくて、リアルに3日くらいかけて説得しました。

チャラついた美容学生だけど、美容師になりたい気持ちや意識はめちゃくちゃ高かった私は、こんなに技術向上できるチャンスを逃したくなくて。

母親からいろいろ条件を出されつつも渋々OKが出たので、晴れてアルバイトスタートすることができました。

このバイトは男子学生が多く、私のお店でも先に働いていた先輩2人はどちらも男性でした。

しかも女子は初らしく、受け入れてもらうまでけっこうかかりました。

いじめられるわけではないのですが、キャストさんたちも距離感を計りかねているというか。

ですが私がメキメキ上達したので、いつしかすっかり受け入れられ、ヘアメイクの担当を指名してくれたり、皆さん本当によくしてくれました。

学びしかない仕事

そんなわけで卒業までの2年間、ずっと同じお店で働かせてもらっていたわけですが

ヘアセットはうまく早くなり。

人に触れる感覚を覚えられて。
(これほぼ素人の美容学生→美容師にはめっちゃ大事)

また、人生に大切なことをキャストのお姉様たちにすごく教えてもらいました。


まずひとつ、マルチ商法の存在。

キャストさんの一人にア⚪︎ウェイにハマった人がいて、化粧品などをめちゃくちゃ絶賛してました。

美容学生というのもありコスメもわりと詳しかった私、このキャストさんが絶賛しているコスメブランドの名前聞いたことがないぞ??

となっていたら、仲良かった別のキャストさんが
「あの子にア⚪︎ウェイの物勧められても絶対買っちゃダメだよ!あれはマルチ商法とかネズミ講ってやつだから!」
と忠告してくれて、その存在を知りました。

ネズミ講って聞いたことあるけど、こんな片田舎でもあるなんて…と衝撃受けたのを覚えてます。


社長の力


また、当時私を可愛がってくれていたキャストさんが実は社長と付き合っていて、よく社長に私の話をしていたらしく、社長もすごく良くしてくれました。

前述しましたが、このお店初の女子アルバイトということで、社長が「何かあったら俺のところで働いてるって言いなさい」と。

実際歓楽街へ出勤するわけなので、道中でしつこいキャッチやスカウトが多くて。

そういう時に「わたし、山田(仮名)さんのとこで働いてるので。困ります。」というと引いてくれるのでお守りのようになってました。
(後で知ったら、社長けっこうその一帯では偉いというかすごい人だった)

毎日のように通ると、キャッチの人とも顔見知りになってくるわけで、それでも知らずに声かけてくる人には別のキャッチの人が「あの子山田さんのとこのバイトの子だから。やめろ。」と止めてくれたりして、なんなら挨拶とかもするようになりました。笑

歓楽街で働くにあたって、実はこれってすごく大きくて、あまり良いイメージのない街でも、そうやって守られるようになっていったのは今になってとてもありがたく思います。

それ以外にも社長さんは、営業時以外でもパーティーの時のヘアメイクに私を呼んでくれて、別途お給料をくれたりととても良くしてくれました。


タクシーの運転手さん

また仕事中に火傷してしまった時、お店のお客さんのタクシー運転手さんに送ってもらったことがあります。笑

その人は身元もはっきりしていて、お店でも優良なお客様、タクシー運転手というのもあり、キャストさんたちも仕事後に送り届けてもらったりとかなり安心な方だったので、そのキャストさんがすぐに呼んでくれて送ってもらいました。

お客さんにまでお世話になって、もう…笑


大人の世界の教科書

当時19とか20そこらのまだ社会にも出てない学生が、子どものいない大人だけの世界に飛び込んだ結果、本当に社会勉強でしかない時間を過ごせたと思います。

学生であり、まだ親にも見守られている状態でのこの世界は、それまで子どもに見せないようにしてきたモノを見ることができて、それを受け止めて知るにはちょうどいいグラデーションだったように感じます。

あの経験なく就職して親元離れて、まとまったお金もあって、だったら、どこかで暴走したり転んだりしていたかもしれない。

それは夜の街じゃなくてもいいかもしれないし、私がたまたま良い環境に恵まれたからかもしれないけど、ヘアメイクの経験は仕事でとても武器になったし、ちゃんと距離感を持って「みる」ことができたおかげで、大人になった今もそういった世界と適切な距離感で付き合えていると思う。

もちろん、危ないことを聞いたり、たくさん衝撃を受けたり、壊れていく人を見たりもあったけど。

まとめというか。

急にですが私個人として、昨今のメディアの過剰な忖度というか、悪いものは映さないみたいなのがすごく嫌いなんですよ。

世の中には綺麗な部分だけじゃなくて汚れた部分もたくさんあるのに、不自然に避け、隠されたものを見て育って、いざその影の部分に遭遇したらどうするの?と思うので。

無知+好奇心は時に爆弾になるじゃないですか。

私はその影とされている世界で綺麗なものを見つけられたので、
綺麗なものだけを見るではなく、汚れた中からも綺麗なものを見つけられるようになるほうがいいと思うわけです。


なんかちょっと説教臭くなってきてしまいましたが、あの時私が違う世界に飛び込んだのは人生の中でもほんとファインプレーだったと思うので、今日の自分とともにあの頃の自分も褒めてあげたいと思う今日この頃です。

長文ごめんすぎる。
読んでくれた方ありがとうございました。


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