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初めて気づく、大きな存在。


結婚して家を出てすぐ、実家の両親が立て続けに体調を崩して入院した。

父は国指定の難病と判明し、母は父の介護疲れと自分の癌治療で、精神的に落ち込んでしまった。

少し前に、妹も結婚して県外に行ってしまったため、近所に祖母がいるとはいえ、実際に動けるのは私だけ。しかし、その直後に私の妊娠が発覚。

無理はできないけれど、やるしかない。入院の手続きや支払い関係、病院との調整など、仕事が休みの日には、自分の婦人科と両親の病院、実家を行き来する日々が続いた。

でも母の退院前に必要な外泊は、妹が来て付き添ってくれたし、実家の様子も祖母が毎日のように見てくれていた。だから結局は、家族一丸で乗り越えられたことだと思っている。

そして先月、母が無事退院。父の今後も少しずつではあるが決まりつつあり、やっと落ち着いてきたところだ。

大変だったのかと聞かれれば、そうではない気もするし、やっぱり頑張ったなぁという気もする。

そして、そんな私たちを支えてくれた力強い存在がいた。病院や施設の先生や看護師さん、地域のケアマネージャーさんたちだ。

介護認定の手続きや転院の方法、今後の方針まで、何もわからない私たちに、一から丁寧に教えてくれた。

きっとこの方々がいなければ、この局面を乗り越えることはできなかっただろう。それほど精神的にも、実際にも助けてもらった。

分からない時、困った時に、ちゃんと答えて、耳を傾けてくれる。そういう人たちに支えられたからこそ、なんとかやってこれたんだと思う。

福祉の世界は、大変だ、厳しいと言う話はよく聞く。でも実際に自分が家族を介護するという立場を経験して、それがどれほど大変で、それを支えてくれる方々の存在がどれほど大きいのかを身をもって知ることができた。

だから福祉の仕事は、本当に尊くて大切な仕事だと思うし、その方々に支えられている人々は、きっとこの世の中にたくさんいるだろう。

だからこそ、私は今回初めて少しだけ知ることのできた、福祉の世界のことを、少しでも伝えていきたい。本当にありがとう。