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芽生えた気持ち。


この前、夫が仕事の福利厚生でもらった優待券で、カタログギフトを購入した。

台所用品からアクセサリー、グルメまで様々な商品があり、ページをめくりながら、何を選ぶか頭を悩ませていた。

ついグルメに目がいってしまうが、形に残るものもいいかと思い、他のものにも目を光らせる。

そのとき目に入ったのが、ベビー用品だった。ベビー用の食器や、おもちゃセットなど、様々な子供向け商品が数ページにわたり並んでいた。

あ、いいな、この中から決めよう。あんなに悩んでいたのが嘘のように、すっとほしいものが決まった。

そして、ふと不思議に思った。

今までの私だったら、自分のほしいものを迷わず選んでいただろう。自分が使える台所用品とか、食べたいお菓子セットとか、多分そういうものを選んでいた。

でも今の私は、これから生まれてくるであろう自分の子どものために、自然と商品を選んでいる。

まだ、母親になる自覚が芽生えていないと少し悩んでいたけれど。実はゆっくりと、でも確実に、そういう気持ちは芽生えているのかもしれない。そう思うと、なんだかすごく嬉しくなった。

母が私にそうしてくれたように。きっとこれからは、こんなふうに、自然と自分のためじゃなく、子どものために、物事を考えられるようになっていくのかもしれない。

一歩、一歩。少しずつでいい。私はだんだんと、母親への道を歩んでいく。