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ふと感じる、懐かしさについて。


「懐かしい」


そう思って、胸の奥がぎゅーっとすることがたまにある。

それは、小説を読んでいるときだったり、音楽を聴いているときだったり、映画を見ているときだったり、ある風景に出会ったときだったりする。

心に懐かしい風景がよみがえって、柔らかな光の中で、幸せな感覚が、切ない思いが、懐かしさが湧き上がってくる。

これってなんなんだろう、といつも思う。

でも、それは自分にとって、すごく大好きな感覚で、すごく幸せな時間だ。

その瞬間、わーっと生まれてくるのに、あとで思い出そうとしても思い出せない。

だから、そういう瞬間が来ると、うれしくて、何かに残したくて、こうやって、思わず何かに書き綴ってしまう。

自分しかわからないけど、でも見れば、あぁこの感覚になっていたんだね、とわかる。

小学校の時にいた図書室、中学生の時に感じていた不安、高校時代の青春、大学生の時に見た美しい風景。

たくさんの記憶たちが、自分をあの時の感覚に、引き戻す。もっと幸せで、切ない思いを引き連れて。


…………………………


こんなふうに、蘇る感覚や記憶、風景があるということは、それだけたくさんの経験をしてこれたということなんだと思う。

そう思うと、なんだかすごくうれしくなる。こんなにたくさんの感覚や感情を知ってこれたんだ。色んな出会いがあったんだ。

でも本当は、これからも、もっとたくさんのものに出会っていきたい、もっとたくさんの感情を、風景を、覚えていきたい。

過去の記憶だけで、これから出会うものへの感情を表現したくない。

人生、まだまだこれから。たくさんのステキに出会っていこう。