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点を点のまま発酵させる

「人生に無駄なことはない」

というフレーズを聞いたことがある方も多いだろう。

確かに一周回って合っていると言えると思う。
とはいえ、このフレーズを耳にする時ほど、無駄を省きたいと感じていたり、
これまでやってきた全てが無意味だったのではないかと悩んでいたりするものだ。

斯く言う私も、ああでもないこうでもないと、もやもや悩んでいるだけで
何も進めることが出来ずにいた時期もあった。

そしてつい最近になって、気がついたことは
人生に無駄がないことを心底理解して実践していこうとした時、
いくつかのコツがあるということだ。

その中の最も重要なコツは

「点を点のままで放置し、ある程度勝手に熟成していくのを待つ」

と言う話だ。

例えば、最近コーヒーの自家焙煎に興味が出てきたとしよう。
Youtubeで検索すれば、たくさんの自家焙煎愛好家たちの方法を細かく知ることができる。
それを頼りにネットで生豆と焙煎できる器具を買って、自宅のキッチンで焙煎を始めてみる。

少し経った頃に友達に「最近コーヒー焙煎を始めたんだよね」と言ってみる。
するとそんなことをしたところで、一銭にもならないし、
家でできる趣味が増えたね、程度にしか受け止めてはもらえなかったりするし、
自分自身でも、まあそうだろうなと思っている。

しかし時が経ち、その「趣味」を続けていたら
ひょんなことから焙煎の経験があるアルバイトを募集している知人に出会う。
お互いちょうど良い出会いとなり、新しい何かが始まる。

つまりこうだ。
「コーヒーの焙煎が面白そうだな、やってみよう」
と言う点を、何の役に立つかわからないけれど、とにかく点のままで
放置しながらなんとなく近くに置いて見守っていた結果、
ある地点でどこかとどこかの点が繋がって、線が始まることがある。
しかし、この「点」が存在しなければ、新しい「線」もありえないのだ。

最初は「何のために」と言う明確な目標や目的が無くてもいい。
ただ「いいな、好きだな」と思うことを、なんとなく始めてみる。
そしてすぐにそれが上手いビジネスにならなくとも、好きならば続ける。
厳密に毎日続けなくても、なんとなく続ける。
傍に置いて、時々やって、寝かせておく。

するといつの日か、どこかの何かと繋がる。

結果「人生に無駄なことはない」に着地するのだ。

ここに無事着陸するためには「点を点のまま放置熟成させる勇気」が非常に重要なのである。

今、あなたが、所詮趣味程度だからと思っている何かも
気がついた頃には充分に発酵が完了して、
食べごろになっているかもしれない。


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