見出し画像

家事の適量を判断する



自分にとっての適量をいち早く見つけられた人が、幸せになれます。

という法則がありますよ、と言われたら、やっぱりそうだったのかと私は大きく頷いてしまうだろう。

最近の物質的断捨離活動の延長で、自動的に家事全般についても見直すことが出来た。
家事というものは、毎日発生し、終わりがない。
そして各家によって構成人数も生活パターンも異なるわけだから様々な家事の形があるはずだ。

しかし私は長年、謎の一般概念に囚われていたあまり、独り相撲で勝手に苦しい思いをしていた。

そもそも私はおそらく大多数の平均的な人に比べると基本的な体力がない。
さらに追い討ちをかけるように暑さと湿度に異常に弱く、夏は極端に免疫力が下がるため、梅雨時期から9月末頃まで、概ね人として使い物にならない。
もちろんこの期間も仕事だけはしっかりこなすのだが、家の中のことや仕事以外の部分には大きな皺寄せがくる。仕事の時は集中し、アドレナリンが放出されているので良いのだが、仕事が終わると翌日のせっかくの休日は1日倒れて起き上がれないこともままある。

そんな中で少しずつ、何かがおかしいと気がつき始めた。
私が私に課している家事の量とスピードは、一体誰が決めたのだろう。

1日の中で3食の料理を作り、食べ、洗い物もし、洗濯もして、床の掃除もして、買い出しにも行き、風呂掃除をして、トイレ掃除をして、犬の散歩をして、入浴して、洗濯を取り込んだら乾燥機に入れるなり畳むなりして、アイロン掛けをして。

今こうして書いているだけでも眩暈がする。
そして私自身のための勉学やホッとする時間や瞑想する時間はどこに捻出すればいいのだろう。全く余地がない。隙間があればすぐにでも横になって1秒でも長く寝たいほどのスケジュールだ。

家事に対する自己肯定感がゼロまで下がり切った時点で、もうダメだ、諦めようと思った。

普通の人はここに子育てまで加わっても何とか成立させられる内容であったとしても、私には無理なのだ。本当に子供は産まなくて大正解だったとつくづく痛感した。

さてこれまでのやり方と内容が無理ならば、どうすれば私にも大丈夫なレベルに変化させられるのかと、細かく見直した。具体例を挙げよう。

例えば買い物関連。食材を買い出しに出かけた日は料理はしないことにした。その食材で料理をするのは翌日。買い出しと料理の両方の体力を同日内に使うのは不可能だと判断したら、少し楽になった。

例えば時間帯。私は1日の中で朝が最も体力があり、午後3時以降からの下り坂具合が甚だしいと気が付いたので、夕食を作るのを止められる日は極力止めることにした。
夕食を食べないこともあるし、外食のこともある。テイクアウト品を家で夕食に食べるということはしない。テイクアウトでも結局は後片付けが発生するので、だったら食べるのをスキップした方が楽だと考えている。
とにかく夕食を作って食べて後片付けをするというエネルギーが、もうその時間帯には残っていないのだ。夕食を止めてもいいと自分を許してあげたら、また少し楽になった。

例えば体質の問題。私は紫外線に当たりすぎると体調が著しく悪くなる。全身の関節がギシギシと痛み、だるく、頭もぼんやりしてくる。これからの季節、つい調子に乗って太陽が差し込む大きな窓のある部屋に長時間いたり、外出が長くなったりすれば、後から痛い目に遭う。そういう時は無理をしないで、何かの作業の途中であったとしても一旦中断して、暗くてひんやりした部屋で横になって良いことにした。
以前は無理をしてそのまま用事を済ませ続け、家事をこなしつづけ、そして午後5時くらいにどうにもならなくなってダウンして就寝というパターンが多々あった。
紫外線によるダメージを受けたと感じたら、すぐにちゃんと冷暗所で休むことに決めた。また少し楽になった。

これらはどれも、私が以前思い描いていたちゃんとした家事ができる妻の行動とはかけ離れている。しかし無理なものは無理なのだし、他人と比べても仕方がないのだ。
「普通は晩御飯を作らないとか、家事を途中でほっぽり出して寝るとか、買い物と料理の日を分割するとか、ありえないよ。不可能だよ。」という声も聞こえてきそうな気もしないでもないのだが、その声も勝手に私の脳みそが作り上げた妄想なのだと、シャットアウトすることにした。

心地よい持ち物の数も、ゆとりを持ってこなせる家事の量とスピードも、人によって様々なはずだ。
その人が置かれている状況によっても大きく左右される。何が正解かなんて、本来その人にしか解らないはずなのだ。

私はこれでいいことにした。
それが大部分の人たちと違ったとしても、仕方がない。
これが私のスペックなのだ。

過去の私は謎の一般論を自分で勝手に自分に押し付けて、勝手に苦しんでいた。
何をしていたんだか、全く。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?