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長月。

中秋の名月(十五夜)の日、月見団子をお供えしますが、
京都では里芋を供えるもので、そこから「芋名月」と呼ばれるようになりました。

どちらかと言えば、行事に無頓着な我が家ですが、
旧暦の八月十五日だけは、月見団子やなく「里芋を供えるもん」と決まっております。

京都の白い月見団子は、里芋の形に似せた餅の上に小豆餡がのせてあり、里芋を供えた名残があります。

幼き頃は祖母の後ろから着いて屋上に上がり、三宝にお神酒と里芋を載せ、すすきを添えて飾ります。
祖母が「月々に月見る月は多けれど月見る月はこの月の月」
詠み人知らずの歌を唱え、手を合わせます。

お供えの里芋は13個。それを和紙を敷いた三宝に供えます。

むかしは、お供えの里芋に箸で穴をあけ、その穴からお月様を覗いたりしたとか。

我が家はお供えの里芋は、お下がりとして蒸していただきます。

京都には名月の行事が、各地で行われますが、
かつては今以上に月を大切に思う気持ちがあったからだと言えるんでしょうね。

電気のない時代、月は今より大きな存在でした。

「お月さんが出てこそ夜が過ごせた」

祖母の口癖です。

#京都 #料理屋#女将#京都日常

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