ハッとさせられた本 4選
人との出逢いと同じくらい、本は新しい体験や恩恵をもたらしてくれます。読書家だった父の影響で幼少期からたくさんの本を読んできましたが、中でも自分の人生にとって大きな影響をもたらしてくれた本を、自己啓発やビジネス書、小説、専門書まで幅広くご紹介します。
生産性
自身が社会人2年目のときにこの本を読み、仕事のやり方を根本的に改革することになりました。当時、私は仕事でどうしたら良い結果が出せるのかを漠然と追及していました。もちろん成果を出すことは大事ですが、そこに「生産性」の概念が欠けていたんです。
本書では、採用人数を例に「単に応募人数を増やして良い人材を採用するのではなく、少ない人数で多くの優秀な人材を採用すること、つまり『生産性』こそがビジネスイノベーションを起こす」と言及されています。
印象に残っているのはこの記述です。
長時間かけて作った資料を上司から評価されても、生産性の概念がなければ、ちっとも成長できない。本書で「成長」とは以下のように語られています。
本書を読んでから、生産性を意識して仕事をするようになりました。生産性の概念は、忙しいと忘れがちなので、今もたまに読み返し、肝に銘じるようにしています。
思考は現実化する
大学で留学を志したときに出会った本です。ライト兄弟など著名人の成功ストーリーを例に「自身のゆるぎない情熱のもと目標を立て、確固たる行動に移し、自分を信じ続ければ、思考が現実になる」という内容について具体的に述べられています。
当時一番印象に残ったのがこの部分。
なぜかというと、この所謂「妄想」は、私の幼い頃からの習慣であり、とても共感したからです。例えば、大学受験のときは受かった自分を妄想し、留学時はアメリカの広大なキャンパスの芝生で話している自分を想像し、転職では新しい会社で活躍する自分を思い描き・・・いつの間にか願望が脳にすりこまれることが、目標実現への第一歩になっているのかもしれません。
また、本書の中で、私が今でも逆境のときに思い出す言葉があります。
人間は追い込まれるとネガティブなことしか見えなくなります。今コロナ禍でポジティブなことはなかなか考えられないかもしれません。ですが、この言葉を思い出すと、かすかな希望を抱くことができます。「そうか、今この出来事のなかには、大きな利益の種子がひっそりと身を潜めているんだ」と。人生は山あり谷ありですから、逆境の乗り越え方を学ぶのはもはや必須事項です。この本は、私に生きるヒントを教えてくれました。
以上は本書のほんの一部分です。具体的にどのような方法で目標に向かって思考し続ければよいのか、ぜひご参考いただければと思います。
自己カウンセリングとアサーションのすすめ
本書の目的は、自分とは一生の付き合いだからこそ、自分自身とうまく向き合っていく方法を「アサーション」の切り口から述べ、自己成長のチャンスを広げようというもの。アサーションとは、臨床心理学に基づいたコミュニケーションスキルの一種です。
大学1年生のとき、私はとにかく自己開示が苦手でした。また、自責の念が強く、対人関係で罪悪感を抱くことも多くありました。そんなときこの本にとても救われたのです。マイナスな感情も人を育てる役割があり、感情に善悪はない。まずは自分の中で起きている感情をありのままに捉えてみること。それらの感情は自分の個性であるということに気づかされます。
本の中では自分の傾向を知る簡単なワークもいくつかあるので、みなさんも自分と向き合う時間を設けてはいかがでしょうか。
阪急電車
小説は、自分では知り得ない他者の心情を理解し尊重するために欠かせないと思い、よく読んでいます。阪急電車は私が高校生のときに読んだ小説です。
各駅の日常を舞台に、様々な登場人物の人生が交差しながら、過去・現在・未来とつながっていくお話です。同じ場面に遭遇した登場人物たちでも、その人によって見方は十人十色。たまたま電車で見かけた人にも、駅ですれ違った人にも、その人たちの想いやドラマがある。
「ダイバーシティ」が求められる昨今、人の数だけ人生があり、不思議なところでご縁がつながっているかもしれない。当たり前のことに改めて気づかせてくれる本書は、とてもおススメです。
4選に絞るのはなかなか苦渋の決断でした。これからの時代、SNSや動画、音声コンテンツなど、あらゆる情報収集の手段が使われるかと思います。それでもなお、これからも本によって私たちの可能性が広がることを願っています。
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