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2020年4月4日コロナ避難日記「セブ島で出産しました」その2「孤独な陣痛作業」

8:30am
ナースさんのセッティングが色々始まる。血液検査の採血をしたり、点滴の準備や血圧測ったり。
そして取っ替え引っ替えいろんな方が来ては、また根掘り葉掘り聞かれる。

「前の診察記録は?」「昔入院するような病気をしたことあるか?」「アレルギーはあるか?」等、同じような質問を、いろんな人がしてくる。

情報共有しといてー!

日本での診察記録のファイルを彼に持たせていたので、彼が持ってると言ってナースさんに彼のところへ行ってもらった。

ナースさんに「朝ごはん食べる?」と聞かれ、確かにお腹空いてるかもしれないけど、陣痛の痛みで全くそれどころではなかった。
事前に家から、ゼリー飲料とバナナを持ってきていたのだけど、彼がナースさんに渡してくれたみたいで、ナースさんが持ってきてくれた。
このゼリー飲料が、かなり助かった!

9:00am
陣痛の波が、、、この時間が長すぎる
ナースさん達はもう慣れているせいか、時々放置とかされる汗

東京で元々出産予定だった某大学病院では、両親学級に参加した時に
「ここが陣痛室です。ここでは好きな音楽をかけたり、アロマを焚いたり、旦那さんと一緒に過ごすことができます」とか言われてたな、、

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東京の病院の陣痛室⬆️

今私は、音楽もなく、彼もいなく、素敵なアロマの香りも無く、、
遠くでフィリピン語が聞こえる木製のベッドの上で1人陣痛と戦っている、、、あぁ、、日本が恋しい、、、
なんだかわからんが涙が出てくる

10:00am
陣痛はどんどん痛みを増していく。

時折ナースに、「今の痛みは?レベル1-10で言うとどのくらい?」
と、聞かれるのだが、初産でこんな痛み初めてだし、10がどのくらいかもわかんないのに、レベルって、、と思いながらなんとなくで答える。

また5,6人くらいの人たち(ナースなのかドクターなのか不明)がやってきて、子宮口をチェック

「あれ、まだ4cm、朝と変わってないわ」と。

「じゃあ次のチェックは14時頃ね」
と、言っていた気がした。

「えっ?!14時?!うそ、この辛い痛みがあと4時間以上続くの?!いや無理無理!!勘弁してよぉ涙」

その後、ナースさんが
「陣痛促進の点滴のペースを、ちょっと早めますね。早すぎたら、遅くするから、様子見ながらね」
と、言っていた(気がする)(←私は英語そこそこ話せるが、医療用語はそこまで詳しく無いので、雰囲気と想像力で理解)

で、ここから。
1人のナースさんが、腕時計をみながら、点滴のペースを調節して、私につきっきりで体調の様子をみてくれている。

するとみるみる、陣痛が激しくなってきた
痛みが今までの比では無い。
今までは、陣痛の波がきても、無言で、深呼吸して、なんとかやりすごしできたけど

もう、声を出さずにはいられない。「ひー」とか「ふー」とか「はー」とか
手も何かを握りたくなって、ベッドの木の枠とか、ギュッと掴んで

「ちょっとー、はやくー、はやくー、Harry up!」みたいな感じで

もう、いきんだら出てきちゃうのでは無いかと思うほどの波が
2,3分間隔で来ていたと思う。

11:00am頃
ようやく私の担当ドクターがやってきた
遅いよ!!涙
子宮口をチェック。8cmまで開いてるらしい?!
マジか!!
事前に本で読んだところ、10cmまで開いたらいざ出産らしいから
あとひといきだ!
痛みが辛すぎる、早くさっさと出して、終わりにしたい。

「あ、そう言えば、無痛注射、やる?」
と、ドクターが思い出したように尋ねる。
「やるやるやるやる❗️早くっ❗️お願いします❗️」

こんな痛みの状況で、やらないという選択肢は無い❗️

無痛注射は、腰骨の辺りに注射するらしく
「横向きになって、背中をこっちに向けて」と言われる。
正直寝返りうつのもしんどい。
が、無痛注射は絶対したい。
麻酔を持ってくるのも、準備するのにも時間がかかっている(ような気がする)早く❗️いいから早くしてくれー❗️

そして注射開始。うーん、、、痛みが無くなっているのか?!
よくわからない。
痛み(というかいきみたい感じ)はありつつも、「はー」とか
「ひー」とか言うほどではなくなったかもしれない

11:30am
「じゃあ始めますか」と言う感じで
皆が慌ただしく動き始める。
「えっ、!?ここで、出産開始ですか?!」
膝を立たされて、「足をもっと開いて」「リラックスして」

「インヘール(息を吸って)、エックスヘール(息を吐いて)、インヘール、エックスヘール、インヘール、プッシュ❗️❗️」

※プッシュ❗️の部分はスタッフ全員で大声で言うので、なんかすごい一体感

で、初いきみをしたら、思いっきりおしっこが出てしまい恥
ドクターびっくり

ナースがおしっこの処理をしてくれ、仕切り直し。

「インヘール(息を吸って)、エックスヘール(息を吐いて)、インヘール、エックスヘール、インヘール、プッシュ❗️❗️」

を、何回も繰り返す。
その度に「いいねー!いい感じ、上手上手!その調子!」
と、ドクターやナースが声をかけてくれる。

12:00pm頃
ドクターが「そろそろいいかな、じゃあ移りましょう」
ということで、また、車椅子が出てきた。

「えっ、あれっ?!ここで産むんじゃ無いの?!こんな状態でまた移動?!」

もう、ひーひーで、起き上がるのもしんどい。
ベッドから起きて、車椅子に乗ると、ベッドに敷いてあってシーツには血がついてた

もうだいぶ出血してるやん

そして移動した部屋がDelivery Room(分娩室)

なんだよ、ちゃんと分娩室あるやん汗

そして分娩室へ。ナースとドクター合わせて10人位いた気がする、、
そんなにスタッフ必要か?と思いつつ、陣痛でそれどこでは無い

「さて、じゃあ始めますか。Mariko,さっきやった通りにやるんだよ」

な、なるほど、、さっきのは練習だったのか❗️今更気づく

「インヘール(息を吸って)、エックスヘール(息を吐いて)、インヘール、エックスヘール、インヘール、プッシュ❗️❗️」
「インヘール、プッシュ❗️」

このセットを繰り返す。

その3「出産&ご対面」へ続く


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