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靖国参拝は愛国者の証?

高市早苗氏の首相出馬表明をしてから、一部の人たちの熱狂的な称賛がネットや右系雑誌、動画チャンネルで一斉にでてきて、一斉に他の候補者たち叩きも同時にでてきました。

高市氏が良いか悪いかはここではさておいて、私が疑問なのはどうしてこうも一斉にネット保守と言われる人たちの言動が一致して、一斉に出てくるのか?ということでした。

この私の疑問に答えてくださったある高市氏の支持者の方とのやりとりが興味深いのでご紹介。

支持者「高市氏は、靖国参拝を表明しているから」
私「靖国参拝が首相になるポイントなんですか?」
支持者「愛国心がある人じゃないと信用できないと思いませんか?」
私「靖国参拝が愛国心があるかどうかのバロメータなわけなんですね?」
支持者「戦没者への敬意があるかどうかが愛国心のバロメータですね」

私はこの方の意見にどうこういうつもりはないですが、こういう意見をもっている人は多いのだろうな?とネットの支持者の意見をみるとそう感じます。

「靖国参拝が愛国心があるかどうかのバローメーター」

なるほど。

しかしですね、この人たちから「愛国者」と非常に支持の高い安倍さんは、靖国参拝をしたのはたったの1回だけでした。しかも終戦記念日に参拝したわけではありません。

第一次安倍内閣時では靖国参拝は一度も行わず、第2次政権発足からちょうど1年の節目となった13年12月26日に参拝した一回だけです。憲政史上最長、連続在任日数は2822日という安定した長期政権だったにもかかわらずです。

首相在任中に、8月15日の終戦記念日に靖国参拝をしたのは、1975年が三木武夫氏が初めて私人として靖国参拝を行いました。その後、1985年に中曽根康弘氏が公費で玉串料を払い参拝を行っています。
そして、1988年のA級戦犯合祀発覚後、この終戦記念日に靖国を参拝した人は、2006年の小泉純一郎氏だけです。

ちなみに、天皇の靖国神社親拝は昭和天皇による1975年(昭和50年)11月21日が最後となっています。この理由については、昭和天皇がA級戦犯の合祀に不快感をもっていたとの意見が指摘されています。(1978年に神社側が昭和天皇の知らない間にA級戦犯を合祀したことが発覚し、昭和天皇はお怒りになったという説があります。)

小泉純一郎氏は、2001年(平成13年)8月13日の首相就任後最初の参拝をした後、公私の別についての質問に対し「公的とか私的とか私はこだわりません。総理大臣である小泉純一郎が心を込めて参拝した」と述べています。

しかし、小泉純一郎氏については、現在、一部の保守系の人達から「売国奴」呼ばわりされています。

時には中共の手先とまで。

すごく矛盾していると思いませんか?
A級戦犯合祀後、終戦記念日に靖国を参拝した首相なのに。

さらに言えば、小泉政権時に北朝鮮の拉致被害者が日本に帰国しました。それ以前の政権では、この問題に関してなんの進展もなかったです。

小泉政権後の第一次安倍政権では、首相就任冒頭に小泉構造改革を引継ぎ加速させる方針を掲げました。
当時の安倍首相は、小泉氏の終戦記念日の靖国参拝を批判した中韓を真っ先に訪問し、中韓との関係修復をはかりましたが、拉致問題についてはこれ以上進展させることはできませんでした。

ネット保守の人が愛国魂を語る時、「靖国参拝」「拉致被害者問題」を重要なポイントにするけど、これについて一歩前進させてのは、小泉純一郎氏ですよ?

しかし、小泉氏については、現在、猛烈な批判が絶えません。

小泉純一郎氏は愛国者じゃないのですか?

私は、ネット保守人たちの一斉に盛り上がる基準がイマイチ理解できません。

靖国参拝は、自民党の多くの閣僚や議員たちがやっています。
多くのネット保守たちが嫌いで馬鹿にしている小泉進次郎氏だってそうです。

「靖国参拝が愛国者の象徴であり、愛国者のバロメーター」という意見を持つのは個人の自由ですが、それだったらすべての人にこのバロメーターを当てはめるべきではないか?と思います。

「靖国問題」に関してはあまりよくわかりません。だから私はこの件の是非については語らないことにしています。

私の愛国者のバロメーターは、実際的に国益に基づいて考え行動しているか?ということがポイントです。


参考資料: Wikipedia  靖国神社問題 A級戦犯合祀問題 
昭和53年、ひそかに進められた靖国神社「A級戦犯」合祀プロジェクト|靖国神社|島田裕巳
A級戦犯の合祀は東京裁判否定が動機 昭和天皇発言メモで もくろみ破綻
記者たちの夏2006年:小泉首相 8・15靖国参拝 長期政権最後の『劇場』(平井 治)2015年8月

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