人間国宝・佐々木苑子さんとの出会い
あまリ個人的なことを書くのは好きではないのですけど、着物についてちょっと書きます。
私は人の縁についてはとても恵まれていて、とてもラッキーな人生を歩んでいると思います。
その中で、私の節目に必ず会う人というのが何人かいます。有名な草木染の紬織で人間国宝で重要無形文化財技術保持者の佐々木苑子さんもその一人です。
佐々木さんは、私が10代の頃にひょんなことから出会った大先輩のお友達です。佐々木さんには、色々な事を教えていただきました。
ちなみに佐々木さんの今は亡き着物の評論家で作家のお母様も存じています。
佐々木さんは、そういう凄い方なんですけど、私のことを気に入ってくださっているのか、作品集をいただいたり、織物でつくった栞をいただいたりという関係です。よく伝統工芸展のチケットも頂いただいたりしました。
私も美しいものは好きだし、そんなわけで日本の伝統工芸を目にする機会が多くあったんですね。
佐々木さんは、日本では今や知る人ぞ知るという人なんですけど、私の印象では、最初に一般の人向けに大きく取り上げたのは、日本よリもフランスではないか?と思います。
フランスからフィガロ紙の記者がきて全面に特集されたり、TVの特集にもなりました。
杉並区が佐々木さんの動画を出しています。
ご興味のある方はごらんください。
佐々木さんの織物の技法はこの動画を見ていただけるとよく分かると思いますが、伝統的なすばらしい織物で気の遠くなるような手間がかかります。
佐々木さんの織物の素朴な自然な色合いの美しさは、日本の自然の美しさそのものだと思いますね。
でも、こんなに作り上げるのに大変でも、紬は紬。
どんなに高価であっても正装にはなりません。
先日、京都のある伝統ある家元の着物作家さんと話をしました。
まだまだ若い職人さんですけど、着物に対する情熱はすごい人です。
ふと爪をみると殆ど爪がなくて、どんなに作品づくりが大変なのかがひと目でわかりました。
「大変ですね」というと、彼は「着物が大好きだから」とい言っていました。私が佐々木さんの話をして「人間国宝になるんじゃないの」と言ったら、「人間国宝をめざしてみようかな」と言っていたので、次世代につなぐためにも頑張ってほしいです。
そして、彼はいつでも取材にきていいといっていました。
こういう縁もあって、着物というか日本の伝統工芸を大切にしたいと思っています。
日本の伝統的な技法で一つの着物ができるには、どのくらいの手がかかっているのか。反物だけでも製作に数ヶ月もかかるものも多いんですよ。
最近では、日本はそういう作品を大切にせず、買い叩く人が増えました。
着物だったらなんでもいい、安い方がいいということで中国製も増えました。
着物を着る人も少ないものだから、高価な着物を買い叩く業者もでてきました。
生活習慣が変わったとはいえ、こういう文化的な伝統工芸に敬意を払わない人が増えたのは残念でなりません。
佐々木さんのインタビューは次世代の人に残すためにもやらなくてはいけないと思っています。
そんな佐々木さんは、偶然私の節目で会うんですけど、そのたびにいつもどういうわけか私を褒めてくれます。
「〇〇ちゃんは、いつもキラキラして輝いているのね」
褒められるということが滅多にないので、この一言がどんなにか私をささえてくれているか。
しかも私の人生の節目にですよ。本当にありがたいです。
私のまりぞうちゃんねるで着物を着るのはこういう今までの縁があったから、その恩返しという意味もあります。
だからこそ、日本の伝統工芸を自ら下げる感覚はちょっと許せないですね。
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