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恋人としばしのお別れ、ジュエリー職人見習いの始まり

 あっという間に恋人の島根滞在も終わり、また1人と2匹の一軒家生活に戻った。彼が帰ってしまって寂しいと考えるよりも、もともと1人で生活しているデフォルトの状態に戻っただけだと考えれば良いというのは分かっている。マイナスもプラスもなくゼロ、いつもの日々である。悲しみに浸るよりも、また次に楽しく過ごせる時を楽しみにしているほうが清々しく毎日を過ごせるのは明確、でも時折波のように押し寄せてくる寂しさに悶絶するのも避けられない事実なのである。でも、そんな押し問答に淘汰されず気を紛らわせる出来事もある。
 今年に入ってからジュエリー工房で見習いを始めた。ハワイから移住してきたジュエリー職人、グレンのもとで週1、2回と回数は多くないけれど指導してもらっている。まずはリングを磨く作業から始めたけれど、リズムと音が非常に重要だというのを学んだ。グレンが機材を扱うと音楽を奏でるように一定のリズムを刻みながら研磨音が響き渡る。リングと研磨機は平行に、表面がフラットに仕上がるように心がけながら私も一定のリズムを刻めるよう研磨する。慣れるまで時間をかけて焦らなくていいからねと気長に構えて教えてくれるグレンの言葉に救われつつ、拙い動きで作業を進めている。40歳になり、新しい技術を身につけようと動き出した。何事も遅いなんてことはない、それを信じていきたいものである。最近は爪が汚れるのでここ何年も通っていたネイルもやめてしまい、毎日動きやすい格好で過ごしている。自分に何が本当に必要か見定めたいという欲求が日々大きくなっている気がしている。
 今日は夕方にあるzoomミーティングと夜のスナック出勤まで時間が随分あるので朝一番に温泉に入ってから実家に向かった。NHKを流しながらこれを書いていたらテレビから寺尾紗穂さんの曲が聞こえてきた。すごいなぁと思いながら、母が作ってくれているシチューの出来上がりを待っている。
各々の活躍の場、いろんな形があるんですよね。

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