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穀雨

 清明のあと、穀雨。24節気では立春からここまでが春のくくり。この頃はずいぶん暑い日もあって、もう日本に春と秋はなくなってしまったのではと思うこともあるんだけど、それでも桜がどや顔で咲いたり、ちらちら散ったりするのは気持ちいいなあ、春だなあと思う。

 この時期はまた春土用ともいって、春から夏への移行期間でもある。季節の変わり目は体調をくずしやすいよね。戌の日に「い」のつくものとか、白い食べ物を食べるといいらしい。いちご、いも、いわし、それから豆腐、大根、カブとか。次の戌の日は4月28日だって。忘れそうなので手帳の28日のところに「いも」と書く。

いちご笑
入野PAの桜

 4月前半のツアーは車で移動した。四国愛媛は新居浜と高知、翌週は山口まで。近いように思えるが実際は結構時間がかかった。道の駅やSAやPAが珍しく、通りかかるたびにトイレに行ったり、何か食べたり、お土産を見たりしているうちに時間が過ぎてしまったからだ。

いろいろ食べる

 雲南吉田の道の駅近くの母の実家にも立ち寄ってみた。母に見せたら喜ぶかと思って、家とそれから近くにある本家のお墓の写真や動画を撮って送る。母の妹の名古屋のおばさんにも送る。おばさんはふるさとの風景が懐かしくて泣いたそうだ。ふとした思いつきだったけど喜んでもらえてよかった。

花の好きなマリノ

 さて、新居浜に行ったのは初めて。愛媛県でのライブ会場に困っていたら、マリノが友人のサックスプレイヤー桑原真里音(まりお)さんの実家のカフェ「母屋カフェときの屋」を紹介してくれた。古民家を改造して最近ではイベントもされているとのこと。ステージもあり、アップライトのピアノが入れてある。

母屋カフェときの屋

 ここのピアノは1964年製らしい。同級生!お互いよくがんばってきたねというわけで、優しい音を出すよう心がける。きれいに鳴るピアノだった。この日のPAはマリノが大奮闘した。高松でいつもライブをオーガナイズしてくれていた香川さんもはるばる来てくれて終演後「今日のライブは『Mariko』の音がした」と褒めてくださった。やったね、マリノ、金賞。

 新居浜でライブと発表するやいなや、すみちゃんから連絡がくる。すみちゃんは京都在住で、先月京都や近江八幡のライブを主催してくれたばかり。メールには「新居浜で泊まるところなかったらうちの実家に泊まりませんか」とある。嬉しい!泊まる泊まる。貧乏旅行だから助かります。すみちゃんは、京都からわざわざ娘のすずちゃんと帰省して、ご家族や友達をライブにも連れてくれるという。なんて素晴らしい人!❤️

洗面台

 すみちゃんのママはれいこさん。わたしとまりののためにいろんな準備をしてくれていた。洗面台の名前の書かれたコップ、笑いました。感謝です。

れいこさんと。

 ライブのあとは、みんなで打ち上げ。コロナ禍ではあんまり打ち上げできなかったからなんか新鮮。遠方からのお方も、いつものお方も、楽しいお方も、ありがとうありがとう。

すみちゃん(左)と愉快な仲間たち
前列中央ときの屋の久美さん
打ち上げも楽し

 翌日は新居浜に来たらここへ行かなくてはという道の駅、別子マイントピアに連れて行ってもらう。ここは有名な銅山の跡地だ。島根には銀山があるけど、ここは銅山なんだねー。トロッコに乗って、坑道まで。坑道の中は12度でちょっと寒かった。ここで働いていた人の苦労がしのばれる。坑道案内のアナウンスを聞いてとんちピクルスさんの「鍾乳洞の長い旅」を思い出す。(*超名曲です)

銅太くんと笑

 もっと新居浜を楽しみたかったけれど、わたしゃ行かねばならぬ、止めてくれるな妙心殿。あわてて高知に向かう。ライブ会場のpiano bar Sometimeでは京子ママや、スタッフのみなさんがすでに準備万端な感じで待っていてくださった。「椅子が足りなくて買ったのよー」って、ママ。(え!)。初高知ライブ、いえ、初じゃなかった、23年ぶりの高知ライブ!

 Sometimeはもともとはエル・レロという老舗のジャズバーだった。ママが移住して経営を引き継いだそうだ。ネットで会場探しをしている時に、高知新聞の記事で偶然それを知った。古い歴史のあるお店を継承ってすごいことだ。ライブをするならここがいいと突然連絡したわたしに驚きながらも対応してくださった京子ママに感謝です。

ピアノのまわりにカウンターのあるお店
昔ながらのbar

 高知県在住のシンガーソングライターの矢野絢子さんも、お友達のミュージシャン石田衣代さんと来てくれた。久しぶりに会えて嬉しかったので、なんか1曲歌ってーと頼んだら歌ってくれた。絢ちゃんのニューアルバム「インラケッチ」はちょうど発売になったばかり。ストーリーテラーの絢ちゃんらしい物語いっぱいのアルバムだった。

石田衣代さん、マリノ、ハマダ、矢野絢子さん
打ち上げは近くのお店「茶ちゃ茶」で。

 打ち上げには23年前のライブで知り合った句美さんも来てくれて嬉しかったー。それにしても23年て。何回も言うけど間があきすぎでは。次に行く時は「南国土佐をあとにして」を演ろう。ペギー浜田ですと言おう。

中原中也カフェラテ
飲むとこうなります

 さて、お次は山口湯田温泉。最後に来たのは2021年の春。「空の下の朗読会」でミニコンサートをした。湯田温泉で生まれた中原中也にちなんで毎年催される企画だ。自作の詩を朗読したり、中原中也賞の贈呈式があったりする。あの時は小室等さんが中也の詩に曲をつけた「曇天」をカバーしたのだ。今回旅に出る直前にふと思い出してまたこの歌をセットリストに加えた。

湯田温泉を発見したという白狐
in cafe DADA

 in cafe DADAはダダイズムのダダなのかどうか、店主の香原さんに聞くのを忘れた。本を読んだり、映画を見たり、ライブを見たり、大人の遊び場という感じ。こういう基地みたいなのわたしも欲しいな。お客様は九州から来ておられる人も多かった。昨年益田マルフクでご一緒した河上耕二さんご夫妻も来てくれて嬉しい再会。

まりまり

 打ち上げは店が燃えているかと思うくらい外に煙が出ている焼き鳥屋さん「串蔵」に行く。湯田温泉で一番美味しい焼き鳥やさんだという。ほんとに美味しかったー。つくねがもはやハンバーグ。びっくりしすぎて、というかお腹がすいていてすぐにかぶりついてしまったので写真を撮るのを忘れた。

 山口には大学の後輩の萬利雄(まりお)くんがいる。なんか、真里音さんといい、萬利雄くんといい、行く先々でまりまり集めをしているようだ。観光に関わる仕事をしている萬利雄くんが言うには、ニューヨークタイムス紙で山口市は2024年に行くべき52の都市に選ばれたのだそうだ。昨年は盛岡が選ばれて、観光客がめちゃくちゃ多かった。これから山口も世界中から観光客が来るのだろう。ファイティン!

白狐見切れ

 さあここまでで31県。4月のツアーも残りわずか。今週末からは水戸(32)、いわき、山形(33)へ。お出かけお待ちしています。

今後のライブ情報(告知分)
5月3日大分県日田市 シネマテーク リベルテ(34)
5月5日長崎県島原市 洋食と喫茶COSTA(35)
5月6日長崎県長崎市 Music Bar Paranoia
5月12日香川県高松市 燦庫(36)
5月18日石川県金沢市 もっきりや
5月19日富山県小矢部市 魚政亭「月あかり」(37)
5月31日千葉県柏市 Studio WUU(38)
*5月のライブの詳細はコチラ

6月2日静岡県浜松市 Merry You(39)with胡池マキコ
6月4日東京 隣町珈琲
6月7日沖縄県宮古島市 Good Luck
6月22日島根県松江市 ゆーゆ with グッドラックヘイワ

グッドラックヘイワフライヤー


6月29日山形県鶴岡 玉川寺 詳細後日
*6月のライブの詳細はコチラ

追記:17日夜寝入りばな、ぐらっときた。テレビをつけたら地震だった。愛媛と高知震度6と出ている。(松江は震度2でした)愛媛と高知の話書いたばかりだというのに。幸い、知人は大丈夫だったようだけれど、地域によっては被害が大きいところもある。こわかったですね。どうかどうか、余震にもお気をつけてくださいね。





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