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【風の声を聴く】'24.4①~GPVデータに現れない降水予想~

新年度がスタートしました。
この記事をお読みの方の中には、もしかしたら、新しく気象の仕事をスタートさせた方もいらっしゃるかもしれません。
私は、昨年度、地方局を含めて、気象キャスターの採用試験を5回担当しました。いずれのオーディションでも、しっかり解析時間を設け、伝えてほしい防災事項を、正しい表現で解説しているかをチェックさせてもらいました。記事を購読する中で、判断に迷う気象解析のケーススタディを行い、知っておくべき旬のキーワードを読み、常に自分の知識に変えてくださっている方にとっては、試験自体は、簡単にパスできる内容だと思います。
私は、全国に散らばっていく気象予報士の力量の底上げを図ることが、気象災害の死者ゼロにつながると考えています。なお、もう1年以上購読されている方は、おそらく、NHKの各種オーディションをパスできるだけの知識を身に着けていることでしょう。今年度も、実学で、生きた知識を、引き続き蓄えていきましょう。

さて、3月下旬から4月も激しい気象現象が相次ぎました。晴れていたかと思ったら、天気が急変して雷雨やひょう、突風に見舞われたり、前線が停滞して大雨警報が出るほどの激しい雨もあれば、3月ぶっちぎり1位の記録的な高温をマークしたり…。
さらに、サクラの開花予想は、民間の気象会社の各社とも大幅にはずれ。前回ご紹介した600℃の法則も、かすりもしない異例の年となりました。
しかも、都心で見かけるサクラ、ちょっと例年と違います。

上の方が咲かず、なかなか咲きそろわなかったり、先に葉が出てきてしまったり…こんもり美しい満開になっていないのです。みなさんの街のソメイヨシノは、美しく咲いていますか?
冬の休眠打破が甘かった可能性がありますね。木の下の方は地面に近く、放射冷却で冷えたけれど、上の方は暖冬に加えて、街灯などの影響も加わって、休眠打破できずにいまいち寝ぼけ気味な様子です。
やはり、季節は平年並みがいいなあと実感した春です。
では、今回もまず振り返りからいってみましょう。


==== 目次 ~2024.4.7~ =====================
◆できごと【3月17日(日)~4月6日(土)】
◆解析のポイント『GPVデータに現れない降水予想』
◆今後の見通し・編集後記
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