#19、アルヴァレズ
泡箱(あわばこ)には泡が入ってるわけではないらしい。いや、入ってるけど入れるわけではなくて、石鹸の泡でもなく空気の泡で、ちょっとコトバンクで動作原理見たけどわからん。
泡箱のほかに霧箱もあるらしい。気体か液体かの話。
泡が私はあまり得意ではなくて。
得手不得手があるのかと聞かれるとあまりないとは思うけど、こう、濡れ手で粟的な気持ちになる。
もふしゅわわぁ…っとした手触りで、まとわりつくのが困る。昔は泡風呂などに憧れた時期もあったが、私には難しい気がしてきた。
泡は、見るのは好きだ。炭酸水から湧き出てくるあの力強い空気の玉。綺麗なまるをしていて、水面に到着すると弾けてしまう。儚さの象徴でもあるだろう。
けれどあれは、瞬間的な力強さをまざまざとこちらに見せつけてくる、栄光の断片であるとも思える。
現に、弾けた泡は空気中に飛び上がり、私たちの顔を目掛けて攻撃してくる。蛍のように美しく、蝉のように頑なで、炎のようにきわどい。
噴水を見たことがある。それも、音楽に合わせて水の玉を噴射し、踊らせるものだ。
それのひとつを見ていた。すると、弾き飛ばされた水玉は重力に伴って落ちていく。その途中、四散する。そしてさらに四散する。
ひゅうっと飛んで少しとどまり、落ちて、割れ、また割れる。
そんなこと知らなかった。ただ雨のようにぼたぼたと落ちるものだと思っていた。いや、もしかしたら雨も、降ってくる途中で幾度も割れて、粉々になった末のことなのかもしれない。
噴水のその光景はとても豊かで統一されて、人の目を奪うのは容易いというように繰り返しそうしていた。
キャナルシティで見れます。
どぞ〜
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