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今、「ハイスタ」が欠けた

皆に倣って、“こういう時”改めて語ってみる。

彼らの音楽との出会いは間接的だった。
自分が好きになるバンドマン達は挙って「ハイスタ」を敬愛していたので、存在を知った。

あまりにもみんなが言うので何か聴いてみようと、一番定番の『Stay Gold』が最初に聴いた曲だった。なるほど、解放感に溢れた珠玉だ。

恥ずかしながら英語力の乏しい自分が、唯一初めてフル英詞の歌詞を覚えた曲である。


その後もいろいろと聴いていたが、正直自分がハマることはなかった。
好きなタイプのバンドサウンドだが、それ以上に感じるものに多々出会っていたのだ。
それらに混ぜ込み時折流す、自分と「ハイスタ」の距離感だった。

自分にとって「ハイスタ」は、大好きなバンドマンと彼らの音楽を産み出す重要な栄養源という立ち位置だった。

今思えばこうして「ハイスタ」は、この界隈にたくさんの後継バンドを遺していたのだ。



亡くなられる前日に公開されたヘイスミ猪狩のYouTube、横山健インタビューの後編だった。その冒頭、彼についての話題がされていたのである。
ハイスタの3人は現在も月1でスタジオに入っていると言う話を聞いた猪狩が、ファンの目をしていたのが印象的だった。

きっと今後またライブが観れる。もしかすると新曲が聴けるかもしれない。
今頃、我々の目の届かないところで3人は「ハイスタ」をしているのかもしれない。

こんなことを当たり前のように想像していた。おそらく皆が。




いつも誰かが旅立ってから痛感する。当たり前と思うものは綱渡りの如く危ういものだったのだと。

今の気持ちは、悲しみよりも驚きと喪失感が静かに広がっている。


すでにTwitter等では大好きなたくさんのバンドマンたちが悲しみ驚いていて、こんな未来が来てしまうことがあるのかと、少しずつ染み込んで理解に繋げているところだ。



4つ打ちの先にどの音が広がるのか。
「Hi-STANDARD」の音楽に期待する、わからない少し未来を楽しんだ。
4つ打ちは始まりの合図なんだと、今になって気付いた気がする。

何の音もなく突然の喪失した未来に、置いてきぼりの我々。
ご冥福をお祈りいたします。

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