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「内省の資質」と「デザイン業務」の折り合いの付け方

これはroot Advent Calendar 2022のDay11記事です。

去年の冬、社内でストレングスファインダーが流行った時期がありました。私も自分について知りたかったのでやってみたところ、一番強い資質が「内省」だった。

前からなんとなく考えを深めないと気が済まない傾向にあるなとは感じていましたが、まさか一番強い資質だとは思っていませんでした。
そもそも内省とはどんな資質なのか。ギャラップの公式サイトに載っていたものをここに引用しておきます。

「内省」の資質が持つ特徴
「内省」という資質は、考える内容に関することではなく、単に考えることが好きだということを意味しています。彼らは自分の考えをさまざまな方向から捉えるのが好きです。強力な「内省」の才能を持つ人は、思考が内側に向いています。(一部省略)

クリフトンストレングスの資質「内省®」の紹介

ざっくりまとめると、「自分の中だけで熟考しがち」。私の場合、自分の中で自問自答を繰り返し、小さな振り返りが常に行われているような感覚です。そして最近、この「内省」資質が自分の足を引っ張ってしまう出来事がありました。

スタイルルールを差し置いて熟考していた

この夏、あるプロジェクトでUIのスタイルルールとデザインコンポーネントを作りました。いわゆる、デザインデータを作って使いまわし、効率的にデザイン作成しようぜ!というやつです。スタイルルールがある場合、例えば新しい画面のデザインを作成するとき、コンポーネントを組み合わせて既存のスタイルルールに則って進めていきます。

しかし、熟考しないと気が済まない私は、ルールを把握しつつも気づいたら発散的に新しいスタイルを作っていました(デザイナーとして本当にお恥ずかしい…)。

自分が作ったスタイルルールを信用しきれていないのか、考えてないことに物足りなさを感じていたのかは分かりません。ただ、ここに「内省」の資質が強く関係していると思っています。

「熟考したい」がもたらすデザイン業務への影響とは

この出来事をきっかけに、自分の今ままでの進め方を振り返ってみました(これもまた内省しちゃってますがそれは一旦目をつむっていただきたい)。すると、「内省がデザイン業務に影響しちゃってな〜」と思える点がいくつか浮かびました。

内省がデザイン業務に影響しちゃってた点
・誰にも相談せず自分だけでデザインを考えてしまう(または1人で考えたい)
・自分の考えが深ぼれてないと作ったデザインを物足りなく感じてしまう
・作ったデザインが適切かどうかを自分の中だけで考えてしまい、メンバーに共有するのに時間がかかる

要するに、自分で長いことタスクを抱える状態になりやすい。そのため、期待値の調整ができず、もしくは考えなくても良いところまでやってしまい、結果スピードの減速へつながってしまいます。

熟考タイムを強制的に打ち切って、折り合いをつける

「内省」の資質がデザイン業務の足を引っ張らないようどうするか。これに関して、「考える時間に終わりを設定するのが良いのでは?」と考えました。

これまでは5時間くらいのまとまった作業時間を確保できるように1日の予定を調整していましたが、あえて2時間置きくらいにMTGを入れるようにしました。必然的に時間が区切られる仕組みです。また、プロジェクトによっては毎日決まった時間に30minほどデイリーをいれ、コンスタントに共有する機会を設けてみました。

すると、自分の考えやアウトプットを少し客観的に見れたり、早い段階で方向修正ができたり、ちょっとずつ嬉しいことが増えました。「まだここ考えきれていないのに共有するなんて早すぎる」と思っていても、時間は待ってくれない。そして、渋々進捗を共有してみると「もっとこういう方法で発散してみたら?」「観点を変えた方がいいかも」というフィードバックを早い段階でもらえるようになってきました。そもそも前提が間違っているなんてこともある。もしこの状況で共有するタイミングがもっと後だったらと思うと怖すぎて震えます。

本当に考えるべきことに時間を使う

今まで自分はほとんど全てのことに対して熟考し、1つひとつにたっぷり時間を使っていました。しかし、ルールに則ればサクッと進められたり、そこまで考えてなくても上手くいくこともあるはず。このような場合に生み出される時間によって、本当にじっくり慎重に考えないといけないことに使える時間が増えます。

本来の目的は、「最終的に良いものを作る」こと。そのためには前に動いていることが大事。目の前の1つのことに囚われて自分だけで考え込まず、チームメンバーへ共有し、客観的な意見をもらいながら前へ進めていきたいですね。

自分の性格や資質がもたらす影響に悩んでる方へ

この記事では自分の強い資質の悪影響について散々言ってきました。ただ、自分の資質が嫌いだとは決して思っていません。人はそれぞれ資質を持っていますが、それはしばしばとても強く発揮され、時に足を引っ張ることもある。けど、時に自分を救ってくれることもあると考えています。なので、自分の資質を悪者にせず、使いどころをコントロールできたらいいなと思っていて。そのために、仕組みを取り入れると上手く折り合いをつけていけそうだと考えています。

これはあくまで1つの方法です。今自分が試している方法も、もしかしたらめちゃくちゃストレスになってくるかもしれない。なので、もし「自分の資質を大事にできてないな」と思ったらまた別の方法を試してみようと思います。自分の性格や資質がもたらす影響に悩んでる方。私でもなんとか折り合いをつけそうな希望が見えているので、きっと大丈夫です。

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