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北海道アイヌ文化リサーチ旅

21歳くらいからの夢を叶えに来た。

『夏の北海道を、車で旅する。北海道の雄大さを全身で体感する。』

姉が一時期北海道・札幌に住んでいた事もあり北海道は何度か訪れた事があったが、なぜか毎回冬に訪問する事が多かった事もあり、"ラベンダー畑がどこまでも広がる広大で壮大な北海道" というものへの憧れがずっと消えないまま十数年が既に経っていた。

比較的北海道まで近い(?)東北に住んだ事で、移動に自家用車の選択肢が入った。フェリーで青森→函館まで渡るというロマン要素も付け加える事が出来て、この度念願叶って夏の北海道車旅が実現した。

今回の旅、更にコンセプトがある。アイヌ文化のリサーチ、である。

柳田國男先生の遠野物語を中心に、民俗学の聖地とも言われる遠野に住み気づけば来年で十年を迎える。節目となるタイミングを迎えるにあたり、今年は初心にかえろうと色んな振り返りをしはじめている。

東日本大震災が移住のきっかけとなった遠野への移住。詳細な背景などは割愛するので、参考までにまとめ記事を貼っておく。思い返せば当時24歳だった私はこんな事を思っていた。

『生きる力を身に付けたい。』『日本について自分の言葉で語れる様になりたい』

生活に必要となる基礎的なもの(エネルギー・水・食糧)を何一つ自らの手で得る事が出来ない無力さを感じたあの当時。都会に住んでたのでそりゃそうと言えばそうなのだが、自分のちっぽけさや絶望感を今でも鮮明に覚えている。進路を検討する中で海外留学も考えていたが、今ひとつ踏み切れない気持ちもあった。自分が日本人として語れるものを持ち合わせて居なかった事の自信の無さから来るものだった。そういう思いからまずは日本について学べる場所で生きる力を身につけよう、と向かった先が岩手県の遠野市だった。

この十年、遠野をはじめとする沢山の人の教えもあり様々な経験を通じて、少しは生きる力を身につけることは出来てきたと振り返る。特にも遠野市宮守町湧水集落(中山間地域)の皆さんと過ごした数年間の経験が大きく、農作業や神事や舞いを通じて"自然の中で生かされてる人間"という感覚や"自然と交感する"という感覚を大きく養ってくれた。冬に室内が最大マイナス8度にしかならない寒ずぎる家で暮らした経験がスパイスとなり自然への敬意・畏怖の念という感覚も同時に持ち合わせる事となる。他、それなりに大工仕事も農作業も山や地形や季節を読む力も獲得できてきたと思う。


十年で身体的な経験は十分に積んだ。そう仮定して、来年の十年の節目を迎えるにあたっては日本というものを自分の言葉で語れる様になる(言語・非言語問わず)を目標にすえ、必要に応じて知識を強化すべきところはしていく事をミッションに過ごす事に決めたのである。これはライフワークとして。

遠野に限らず日本の国土の多くは森林であり、そして日本は海に囲まれた島国だ。アジアの中で最も東に位置する森の多い島国という立ち位置は、自分で書いてて『あれ?日本面白くね?』とワクワクしてくる。そう思えるのも、遠野での十年という時間があったからだと思う。

遠野という土地からも学べる事は多いので軸足は遠野に残しつつ、日本というものを語れる様になるという目標に向けて、今後は学びを得たい地へはタイミングを見て足を運び知識の層に厚みを持たせていけたらと。(遠野文化友の会に今更ながら入会したので遠野博物館年間フリーパスの権利を得た!)

日本を語るとはかなり大きなテーマでもあるので、自分の興味関心に少し寄せてリサーチは進めていく。自然と人間と営み、とか、動物としての人間とか野生と知性とか、の方向性になるだろう。そういう経緯から、今私は北海道アイヌ文化リサーチ旅に出ている。アイヌ文化には自然と交わり生きる知恵や哲学が多くあったそうなので、現地の博物館や現地の活動家の方との交流を通じて少しでも生の情報を得られる事を期待をしている。

今回の旅のルートは計らずとも1800年代に文明開化直後の西洋化に目覚めていく最中の日本を旅した英国女性旅行家・イザベラ・バードとほぼ同じルートを辿る事となった。本に書かれた情景と目の前の景色を照らし合わせながら進むのもまた楽しく感じる事の多いものである。
 

何冊か車に積んだうちの一つには、遠野の自然環境活動家の千葉和さんが若かりし頃に感化されたというパパラギもある。まだ読み始めて数ページ。沢山の人からいただいた教えやエッセンスを頭の中にとめながら、北海道の旅を進めたいと思う。

Special thanks(順不同):千葉和さん・福永壮志さん・菊池辰徳さん・菊池恵実子さん・佐々木大輔さん・旅の仲間たち

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追伸

スナックという店舗を構えている立場かつ、4連休というかき入れ時に、お店を数日お休みして大変申し訳ありません。翌週以降、北海道アイヌ文化リサーチ旅のお土産話をひっさげて舞い戻りたいと思いますので、皆様どうぞ宜しくお願い致します。

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