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飯田泰之先生と投資入門①

告知していました【飯田泰之先生と投資入門】シリーズ!
第一回目をお届けします。

いがらし:飯田泰之先生と投資入門!よろしくお願いします!
※いがらしまりえ(以下いがらし)

飯田先生:飯田泰之です。よろしくお願いします。

いがらし: 飯田先生とは「ニュース女子」という番組でご一緒させていただいておりますが、私は普段インテリアコーディネーターの仕事をしています。「ニュース女子」きっかけで以前司会だった上念さんの YouTube にも出させていただいておりまして、それで3ヶ月ほど前からその YouTube の企画で株式投資を始めました!

飯田先生:おめでとうございます!

いがらし:ありがとうございます!ですがあまりにも初心者で始めたので、3ヶ月間やってみてわからないことがたくさんあり、これからどうやって株式投資を進めていくべきなのかちょっと迷ってしまいました。そこで明治大学政治経済学部准教授の飯田先生にアドバイスをいただきたく助っ人をお願いした次第でございます。よろしくお願いします!

飯田先生:お願いします!実際3ヶ月やってみてどうですか?マイナスですか?プラスですか?

いがらし:マイナスにはなってないんですけど、そんなにプラスにもなってないです。。

飯田先生:まぁそうですよね〜。株式投資に限らず、金融商品に投資をする時って、そもそもなんのために投資をしているのかというのを忘れてしまいがで、なんとなくみんな株式投資しているのでひとまずやってみましょうみたいなノリで始めてしまうこと多いんです。

いがらし:私もまさにそれでした(汗)

飯田先生:「なんのために投資するんですか?」というのは常に自分に対して考え、問いかけていくべきです。
漫然とお金を入れて、得したら嬉しくて、損したら焦って、みたいなのを続けてるだけだとなにをしているのかわかんなくなっちゃうんですよね。

いがらし:まさに今3ヶ月経ってその状況になっています。

飯田先生:だからこそ、「何のために投資するのか?」という自問は大切です。

例えば、結構な額の資金があってそれをマイナスにならない程度の利回りで回したい人もいるでしょう。
または、少ない資金ではあるけれど、無くなってもいいぐらいのお金をリスクがある案件に投資して、あわよくば一攫千金を狙いたいという人もいるでしょう。もしくは、まだいがらしさんはあまり考えないかもしれませんが、老後資金にいくらまでの金融商品を積み立てておきたいから今から少しずつ投資を始めたい、という人もいますよね。

どうでしょうか? いがらしさんは、安定的利回りなのか、できれば一攫千金なのか、はたまた老後資金も含めて目標金額を貯めたいのか、いかがですか?

いがらし:そうですね。。。
私は個人で仕事をしているので自分が動いた分の報酬をいただくという働き方なので、もし元手があるならば、お金がお金を増やすっていうことができたらいいのかなと漠然と考えていました。
そんなタイミングで上念さんのYouTube の企画で「投資をしてみよう」ということになって、最初は一攫千金を狙って楽しくできたらいいかなと思ってたんです。でもちゃんとやるんだったら、老後資金まではいかなくても、仕事の収入だけじゃなくてある程度安定的に蓄えたお金がさらに増えていくっていうことができたらいいのかなって今は考えてます。

飯田先生:なるほど。一番悪い投資スタンスは、スタンスをしょっちゅう変えることだと思います。
調子がいい時には一攫千金狙いな気分になり、調子が悪い時には安定的な投資をするべきだと思う。その時々の儲かってるか儲かってないかによってスタンスを変える人って結構いるんですよ。これはあまり良くないです。
長期的な視野に立てば、つまりすぐ使うとか一攫千金狙いじゃなければ、金融商品はそれなりのリターンを得られるでしょう。
株とか投資信託ってどれも上がったり下がったりするんです。当たり前ですよね。
ただ、長い目で見ていると、上がったり下がったりしながらも平均的には銀行の定期預金よりはかなり上の利回りを得られる、という意味で長期のスパンで株式投資をするって重要だと思います。

そして、投資をする際に、特に現役世代が気をつけておかなければいけないことがあります。

いがらし:ぜひ教えてください!

飯田先生:それは「投資にはコストがある」という点です。
投資のコストというと、「そりゃ株買うのにお金がかかるだろう」と思いますよね。

いがらし:それ以外にもかかるコストがありますか?

飯田先生:投資を始めるとやっぱりボードが今いくらなのか、いくら得したのか損したのか気になるじゃないですか。情報収集にも時間を使うじゃないですか。
でもその時間を本職頑張ってた方が利益上がったんじゃないかっていうケースがままあるんですよね。

いがらし:わかります(しみじみ)

飯田先生:もう20年近く前ですが、相場師の林輝太郎さんにお話を伺ったことがあります。投資の神様と呼ばれた、『赤いダイヤ』という有名な小説のモデルではないかと噂された人です。その人とたまたま何かの会で会ったんです。別に投資相談会とかだったわけではないんですが、株式投資や先物投資に興味があって、林さんの本も結構読んでいたので、ここぞとばかりにどうしたらいいですかね?って質問してみたんです。
そうしたら「飯田さんは今いくら持ってるの?」といわれ、「何百万くらいですかね」と答えたら、「ダメダメ、一千万、できれば三千万持ってからもう1回おいで」って言われたんです。要は、ちゃんと打てる玉持ってからおいでってことだったんですよね。

ここからが重要なポイントです。サラリーマンとか専業もしくはそれに近い主婦の方が、もっとたくさん本業の仕事に時間を使って収入を増やすっていうのは、ちょっと難しいですよね。
無制限に残業できるわけでもないし、主婦の方だったら何かしてリターンを得られるわけでもない。
そういう方は ある程度小口の投資に向いてるんです。

いがらし:ふむふむ

飯田先生:一方、自営で仕事をしている人、つまり自分で仕事をしてたくさんやるとその分リターンがある人というのは、株式投資をする時にもできるだけ株式投資に割く時間が多くなりすぎないような工夫というのが必要だと思うんです。

何かをする際に取られる時間コストのことを、経済学では「機会費用(オポチュニティ・コスト)」といいます。

意外と若手のサラリーマンやビジネスマンは、この「機会費用」をあまり意識していない人が多いような気がしいます。
サラリーマンは株に向いてるとさっき言いましたが、 休み時間でもないのにスマホで株価チェックばっかりしてたら、上司に怒られちゃいますよね。
そうならないように、先ほどの林輝太郎氏は、「値札(ボード)は1日2回、朝一と寝る前しかみるな」というのをとても重要視していました。

毎日、1日の中でこまめにボードをチェックしてトレードで食うっていう方法もありますが、


いがらし:いわゆるデイトレってやつですね。

飯田先生:そうですね。元々の運用額が大きいか、大きなリスクをとれるか……ならばそれでもいいでしょう。
でもそうじゃない大半の個人投資家は、朝起きた時(為替などをやっている場合は寝てる間に動くきます)、あとは夕方(現物株式であればその日の終値)、その2回だけでいいと。それ以上やると失うものの方が多いんじゃないでしょうか。

いがらし:そうなんですよ!
まさに最初の1ヶ月くらいは、株式投資も色々あるけど、一攫千金的な方向で行くんだったら個別銘柄にドンとかけて、上がったら売る!それで利益を得るっていうのもやってみたいなと思って、数銘柄やってみたんですけど、それをチェックしてる時間とか、なんでそこが上がりそうなのかを調べるとか、それが私にとっては本業じゃないので1、2ヶ月経ってきたらちょっとストレスになってきてしまったんですよね。。。

飯田先生:そりゃそうですよね。
実は投資には向いている人というのが存在します。第一が上がったり下がったりすること、特に下がったりすることにもあまりストレスに感じない人。
そして、1日2回ぐらいしか値札を見ないでも全然気にならない、ソワソワしない人というのは投資に向いている。
反対にずーっといつでも気になっちゃう人は、やっぱり投資のスタイルを変えないと長期的な投資は出来ないと思います。

僕自身の投資歴を例にあげて説明しますと、大学院生の時、大学院生って機会費用が低いですよ。

いがらし:大学院生ってすっごく忙しいですよね?

飯田先生:忙しいは忙しいですが、特定のの時間に何か固定の用事があるわけじゃなくて、たくさん論文読んで自分の論文を書くだけなんです。

だからわりと個別銘柄もやりましたけれど、僕の場合は商品先物を中心に投資をしていました。
しかし、先物は大学教員になってやめました。主にさや取りを基本的な手口にしていたので、値動きのボードを横にずっと置きっぱなしにして、ちょっと見てまた仕事して、ちょっと見てまた仕事をしてっていうので、たしか月に10〜20万の間ぐらいは稼げちゃってたので良かったんですけど、

いがらし:ほほぉ(私もそれをやりたかった)

飯田先生:大学教員になってみたら、その10万ちょっとのために、そんなに時間を使ってらんないって思うようになった。あと、少し特殊な投資方法だったので大きくは稼げない。僕自身はそこから1日に1回、ヘタしたら数日間に1回、値動きを見ればいいような投資方法にシフトしていきました。

そういう人(機会費用の高い人)に向くタイプの投資は、インデックスを買うという、パッシブ運用と呼ばれるもの。
もう一つは、配当または株主優待狙いの投資に切り替えることです。

いがらし:株価が上がった時の収益(キャピタルゲイン)だけじゃないリターンですね。


飯田先生:配当がもらえるとか株主優待で得な銘柄にすると、もちろん暴落したら困りますが、ちょっと上がったちょっと下がったは「まぁそういうこともあるよな」と思っていられるようになります。
いがらしさんの場合本業があって、稼働した時間分だけ稼げる状況ですから、まずは相場にかける時間というのをどうやって減らすかというのがひとつのポイントになると思います。
もう一つのポイントは、やっぱり上がり下がりってストレスだと思うんです。それは絶対あると思います。なので、その下がりからうけるストレスを軽減する方法っていうのを考えなきゃいけない。
そのストレス軽減の方法の一つが、キャピタルゲインって呼ばれる値上がり益で儲けるのではなくて、配当と、あと何といっても株主優待、を狙うということ。

いがらし:なるほど。

飯田先生:あともう一つの方法ですが、これはフリーの方とかビジネスマンで投資をする方で、自分がその業界に明るいから比較的自分と同じ業界の株に投資する方がいるんです。
会社名も知ってるし、例えばいがらしさんでいうと、 LIXIL とかパナソニックホームはよく知ってる、みたいな。

いがらし:たしかに、家具系のところだったらちょっとわかるかも。

飯田先生:そうなんですけど、でもそれは意外と正しいかどうか分からなくてですね。
なんでかというと、所詮その企業のインサイダー情報(もちろんインサイダー取引はいけませんが)、本当の内部事情まで分かるわけじゃないので、

いがらし:そうかー、知ってるのはあくまで商品のことになっちゃいますよね。

飯田先生:その一方で、その家具関連の株が大幅に落ちてる時って、例えば景気が悪いとか、あとは緊急事態宣言解除されてみんな外に出かけるようになったから家の中に興味がないという時とか。
株価も下がるし、かつ自分の商売もあんまりうまくいかなくなるわけなんですよ。
そうするとすごくストレスが×2でかかってくるんですよね。

いがらし:!!!
※実際、家具関連ならわかる気がすると思った個別銘柄を買い、失敗した経験アリます...

飯田先生:そういうのってすごくイライラしますよね。
そこで、心理的なポートフォリオマネジメントという側面もありますが、自分の業界と真逆の動きをする銘柄、もしくは真逆に動くなんて都合の良い業界はそんなにないので、自分の業界とあまり関連性のない銘柄、そういうものを持つ方がダブルパンチを食らうことがなくなります。
そういった形で時間を減らす、ストレスを減らすということが、僕は小口の投資家にとって一番重要な課題だと思います。なのに意外とみんなそこはスルーだなと。

いがらし:全然そこのこと考えてませんでした。(反省)
どうやったら儲かるんだろうとか、どういうふうにやってるのかを周りの子に聞いたりもして、色んなタイプがあるんだなっていうことまではなんとなく認識したんです。ただそこにかける時間とか調べる時間が(自分には)ストレスになってて、でも時間をかけられる人が株で勝ってる人なのかなと思って、頑張んなきゃいけないところ!みたいな気がしてたんです。
そこを減らすことができたら自分にとってはすごいいいと思います。

飯田先生:そうですよね〜。
なんだかんだいっても株雑誌とかに出てくるトレード歴豊富な人って、主に億の資産を運用しながら暮らしているタイプの人なんです。そういう人と、数百万のオーダーでそれを少しずつ増やしていこうという人は、当然ながら投資スタンスは変わるはずです。

僕はいつも投資話の講演を受けた時は、必ずこの話から入ります。なので第一回目は投資スタンスの話からはじめてみました。

いがらし:ありがとうございます。。!
2回目以降では、どういうポートフォリオマネジメントをしていけばいいのかなど、また役立つお話を伺わせていただきたいと思います。


以上、第一回目でした。

「何のために投資するのか」目的をはっきりさせることが大事。
はじめたあとも、いつも自問してみよう。
投資にはコストがある。
「機会費用」を理解して、向いている投資を考えよう。
私のようなタイプ(個人で仕事をしている人)には、投資への機会費用を減らすこと投資でのストレスを減らすことが大事。
そのためのポートフォリオマネジメントについて考える。
できれば自分の本業と関連の少ない銘柄に投資する。


それでは第二回目も乞うご期待くださいね。

マリエ

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