「向こう側は」の裏(メイキング)
なんだか色んなものが恋しくなっていたある日、いっそのことイラストに恋しいものをまとめちゃお!と思い描き始めました。
①まずはじめに恋しいもののリスト化
-ロッキー山脈
-よく食べていたスーパーのマフィン
-家で飼っている猫
-マーチングでの経験や訪れた場所(ヨーロッパツアー)
恋しいものは基本的にカナダにあるものです。ヨーロッパは2017年の夏に行ったのですが、その年がマーチングバンドから引退した年で特に思い入れのあるツアーです。
②コンセプト
イラストを制作するときは必ずコンセプトを大切にしています。
というわけで、考えたコンセプトは
「過去の思い出とこれからの楽しみ」
です。恋しいものを挙げるとまたそれに出会う日が待ち遠しくなったのでこんな感じにしました。
③ラフ制作
ラフはベタっと白黒で塗って描きました。大学でしつこく先生方が揃って言っていたことの1つに「明暗を決めてから色を考える」というのがありました。実は2019年はその工程を省いていたことが多かったので初心に戻ろうと思いました。
ヨーロッパツアーでオランダに滞在した時お世話になったホテル(大修道院を改装して使用しているところ)の写真を資料に窓から景色を眺める構図にしました。構図のツールに、「frame within a frame(フレームのなかのフレーム)」
というものがありますが、今回のイラストはまさにこれを使用したものになっています。構図のパターンを複数考えることも重要ですが、今回はこの工程を省きました(最近省きがち…)。
④線画
③のラフを元に線画を描きます。手や服のシワ、マフィンは自分で写真を撮って資料として活用します。
線画の時に一番意識していることは濃淡です。
どこを太く濃く描いてどこを細く薄く描くか。目の誘導や、接地面などを考えながら線を決めていきます。
⑤線画の描き込み
私は線をいっぱい使います。線で影や模様、モノの明暗を描いていきます。
手前のカーテンが暗くなったことで細い線で描いた背景に目がいくようになりました。それに加えて窓の金具の目立ちが緩和されました。
ちなみに猫のお顔も修正。人物を見上げるように変えて目の誘導を作りました。あと、かわいくしました。
⑥着色
ラフの明暗を元に色を配置していきます。明暗に少し違和感がある時は修正もいれます。
基本的に色もベタ塗りですが、ブラシにテクスチャをかけているのでムラのあるような塗りになっています。床はこの時点でグラデーションをかけました。グラデーションは目線誘導なんかにも効果的です。
⑦塗り込み
塗り込んで奥行きや立体感を少し出します。
全体的に引き締まった感じになりました。空にもグラデーションをかけてます。ただ床と違って綺麗なグラデーションではないのは、雲や風といった空気を感じてもらうためです。影の色は全部同じ色を使ってます。今回のイラストはそっちの方がしっくりきました。
⑧仕上げ
最後にテクスチャなどをかけて完成です。
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