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【第8回】note募集文章:社会人1年目の私へ(600字)

さまざまなジャンルの文章に、自分なりの赤ペンを入れていく企画です。マガジンの詳細については【はじめに】をお読みください。

第8回目のテーマは、前回に引き続きnoteの募集に挑戦してみることにしました。

お題:社会人1年目の私へ(600字)

実際の募集要項に文字数制限はありませんが、ここでは600文字に定めます。

このテーマに向き合うにあたり、自分の社会人一年目を思い出そうとしたのですが……遠い!(笑)。なんと、17年も経っているではありませんか。ウソでしょ??
何とも長い道のりを歩いてきたものだとしみじみしてしまいました。

私は2002年卒業で、ロスジェネレーション世代なんて言われますが、とにかく就職氷河期で内定はほとんどもらえませんでした。
関西の大学に通いながら東京の出版社を目指していたのですが、交通費はかかるし、東京の有名私立大と戦わねばならず、まったく相手にされないし、いい思い出はほとんどありません。
今になって、政府から人生再設計世代なんて呼ばれようとしている、言ってみればかわいそうな時代に社会に出ました。

結局、私は情報誌制作会社の九州支社に入社したのですが、社会人生活が始まってみると、ただただ楽しかった。働けることに幸せを感じる日々でした。

そうそう。あとで笑い話になりましたが、私が入社する前、面接をしてくれた配属先の課長が、「会議室の電気のスイッチより小さい子が来るよ!」と言って社内で話題になっていたそうです。それを聞いたリーダーの先輩女性が、「いやいや、そんな子はいませんよ……ほんまや!」みたいなノリツッコミで、私は迎えられたのでした笑。
サークルの延長のようなノリの会社で、本当によくかわいがってもらいました。入社早々、課長をはじめ先輩みんなから「まりえ!」と下の名前で呼ばれたのには驚きましたが。

全員の前で自己紹介をしなさいと言われ、無邪気に「尾越まり恵、22歳です」と年齢まで伝え、お姉さま方にジロリと睨まれたことも、なつかしい思い出です。無知ってこわいですね。

さて、私の思い出話はこのへんにして、今回このテーマで書いてくれたのは、大手メーカー勤務のH君です。リクルーターとして大学生と話す機会も多いようです。平成元年生まれで、今や中堅社員としてバリバリ活躍中。

普段、LINEなどでやりとりするH君の文章は定型文のようなので、私はよく「botか!」とツッコミを入れるのですが、本人もまんざらでもないようで、最近では自分のことを「botサラリーマンです」なんて名乗っています。

そんなH君から届いた文章を紹介します。bot感はありながらも、H君の思いが伝わる文章でした。

社会人7年目の私から新卒1年目の私へ伝えたいことは次の通りです。

1、一所懸命取り組むこと
自分の好きなこと、苦手なこと、仕事、プライベート、対象は何でも構いませんが、何かに対して一所懸命に取り組む時間は貴重なものです。世界を舞台にプロ野球選手として活躍した、イチローさんは「少しずつ前に進んでいるという感覚は、人間としてすごく大事。」と言っています。目に見えるような成果はすぐに出ないかもしれませんが、目標を定めて自分を成長させること、このことは人生をより豊かにしてくれるはずです。

2、周囲の人々に感謝すること
上司、同僚、友人、知人と呼び方は様々ですが、全ての人々のおかげで、今、私はhappyな時間を感じることができています。もちろん、時にはnegativeなこともありますが、周りの人々のおかげで自分らしさを出せて、人生がより良いものになっていくということは間違いないでしょう。だからこそ、何気ない日常においても意識的に周囲に目を向け、みんなに感謝する気持ちを持ち続けたいと心から思います。

私から伝えたいことは以上ですが、新卒1年目の私はつまらなさそうに聞いていることでしょう。なぜなら、あなたは大学受験失敗という挫折や充実した大学・留学生活を通してこれらのことを強く感じているであろうから。今の想いを持ち続けてください、このメッセージこそが社会人7年目の私から新卒1年目の私への最も伝えたいものなのかもしれません。 

この文章に、赤ペンを入れてみましょう。

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