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マリエの走り書き

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現実とフィクションが入り混ざった短い走り書きや、ちょっとしたエッセイなど。
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#音楽

境界線を越えてゆけ〜空き地で見た映画と、タイムラインと美しさの話。

落ちていた。ひどく頭痛がする。 沈んだままの気持ちは、昼過ぎのベッドの中でずっしりと重みを持ったまま、一向に浮かんでくる気配がない。 こんな日ばかりが続いている。 夏の太陽が忘れ物をとりに来たかと思えば、 突然の木枯らしと、置いてけぼりにされたような気持ちにさせる秋の匂い。 だがどうやら、夏の太陽はまだ忘れ物を残しているらしい。 懲りないやつだ。 万人にわかる正しい言語で、テレビの中の天気予報士がそんな内容を告げている。 こんな気候じゃ調子も狂う、と文句も言いたくなる

初めて後悔したことと、クラシックの話。〜Gnuはもうすぐ大きな群れになる〜

熱に浮かされながら長い間途切れとぎれに見た夢は、なんだか楽しいものばかりだった気もするが ようやく意識もはっきりとしてきた昼下がり。 温かい出前が一足早く届いたというのに頭の中では勝手に一人語りが始まってしまっている 私の脳内に潜んでいる"饒舌な私"が勝手に自分語りを始めるのはよくあることで、一言目が始まるともうそいつの話は止まらない。 私の筆も私自身の意識も私の心の準備も追いつかないまま、勝手にものすごいペースで進んでいく。手で書きとめる作業がいらないから、まるで架空