平成最後に見た夢の話。〜それじゃ、よい旅を〜
平成最後の朝は、二度にわたる夢を見た。
夢の中で見た夢と、夢の中で夢から覚めた夢。
私はいつも、似たような夢を見る。
だいたい決まって家族や吹奏楽など過去にまつわる夢か、
夢らしくないリアルな仕事の夢、
たまに心の底から憧れる人(ほぼミュージシャンだ)に会えてしまう夢。
でも今回見た夢は、あまりにも鮮明で珍しい夢だった。
◆夢の中の夢
「ほらね、だから言ったじゃん。」
横たわった祖父の胸元が、かすかに動いている。
静かに動かなくなったはずの身体が、たしかに呼吸をして