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ガイドライン研修会にゲスト参加

2024年7月28日(日)、MOA自然農法ガイドライン研修会に参加しました。
認定更新をする方向けの研修なので、生産者ではない私はゲストとして参加させてもらいました。
今回は師匠のもう一人のお弟子さんも一緒でした。

講師は、師匠主催の勉強会でもお世話になっている須崎さん。
ガイドラインの趣旨、変更点などを確認したり、自己チェックリストで、それぞれの取り組みを振り返ったり。
他にもみどりの食料システム戦略に関する話題や、オーガニックビレッジ宣言第一号の奈良県宇陀市の生産者、山口農園の取り組みの紹介などがありました。

今回、印象に残ったことは主に2つ。
1つ目が環境も含めて地域や社会などへも意識を向けている考え方がベースにあること。
2つ目が栽培における土の考え方。

環境や地域、社会も意識した栽培、営農という考え方

これは、ガイドラインの話でも、山口農園の紹介でも共通して出てきたトピックでした。
有機栽培、オーガニック農産物、自然栽培や自然農というと、とかく「栽培」に目が行きがちで、肥料などの使用基準を満たしているかどうかが最大のポイントのように見えがちです。

見せてもらったMOAの自然栽培ガイドラインでも、もちろんその規定はあります。
圃場の立地条件なども決まりがあります。

でも、自己チェックリストでは、そうした物理的な基準や条件ばかりでなく、自然農法を実践する上で大切な点として、自身や家族の健康、環境保全、地産地消や、自然農法の実践を通して、人々の心身の健康や地域・社会のために貢献する志と行動力(行政などとも連携して自然農法や自然食の普及に取り組む)、生産者の仲間づくり、消費者との交流などの項目が、まず最初の方に出てくるのです。
(栽培や農業経営はその後なんです)

ちなみに自己チェックリストは、ガイドラインに対応している箇所があるようなので、ガイドラインにこうした点が盛り込まれているということになりますね。

そして、研修会で紹介されていた山口農園でも、やはり環境への配慮と地域とのつながりを大事にするということがコンセプトとして掲げられているとのこと。
安全で安心な食べものを提供することももちろんだけれども、生産内容や方法を工夫することで地域の雇用を創出していることや、地域循環の流れから牛糞堆肥を活用していたり、オーガニックビレッジ宣言をした宇陀市と協力事業を行っているとのこと。

自然農法で栽培という視点から考えると、牛糞は?という声も出てきそうだけれど、これも地域循環まで含めて考えると、その意味も見えてくるでしょう、という説明がなんだかとても印象に残ったのです。

栽培における土の重要性を再認識

「栽培」ばかりに注目するのではなく・・・と書いておきながら、ではありますが、野菜づくり初心者の私にとっては、やはり土のことも自分メモとして残しておきたいと思います。

土づくりに枯れ草を利用しましょう、というのは師匠からも教わっているので、私も日々、できるだけ枯れ草を畑に持ち込むようにしています。
ガイドラインでもやはり枯れ草や落ち葉の利用について触れられていました。
そこでは野菜残渣は堆肥にして、となっていたので、ここも質問してみました。

野菜残渣は水分が多いのと、部位によって性質がだいぶ異なるし、落ち葉や枯れ草には糸状菌がすでにたくさんついているからね、とのこと。
じゃあ乾かして水分を抜けばいいのか・・・?と口にしてみて、「まあ、確かに乾かせばいいかもしれないけれど、落ち葉や枯れ草はちょっと探せばいくらでもあるんだから、素直にそれを使えばいいんだな」と思い至りました。
愚問でした・・・。

種や苗の扱いにおいても、土が大事なんだ、ということを改めて感じました。
キャベツなども、できるだけ種からできるものは種まきをして作りましょう。
苗は育苗中の土に注意して、入手先を選ぶように、とも。
大きく育てるときに、落ち葉や草で土づくりをした土で作ればいいじゃないか、と思ってしまうけれど、そうではないのですね。
とはいえ、これはMOAの認証を受けた生産者が気をつけることとして述べられているので、自家消費者の私は、あんまり気にしなくても良いのかもしれませんが、いずれにしても「土」が非常に重要視されていることを改めて認識しました。

それから種とりの話題もありました。
そこですかさず、その圃場で採れた大根の種が登場!(会場が圃場の入り口の小屋なものですから、そういうのはすぐに出てくるんです)
立派なさやがついたものを見せてもらいました。
大根は交雑しにくいので、比較的、種取りしやすいのだそうです。

なんて聞くと、今年はやってみようかなあ、なんて気になりますが、そこで釘を刺されたのが「大きくしちゃったから放置して種とろう」というのは甘いよ、ということ。
種とりは、実が成長するのを見守る中で「これぞ」というものを残すのが良い種をとる方法なんだそうです。
そういえばNHKの番組でもそんなのをみたような気がします(種とりに特化して、九州、長崎あたりの種とり農家さんを取材したものだったと思います)。

研修を聞きながら、皆さんの今年の野菜づくりの様子や土づくりのことも話題になりました。
おから堆肥を入れるようになったら、生えてくる雑草が変わってきたよ、という人もいました。

師匠は、ウリハムシ対策の「おひさまキラキラ」と新登場の「あさひキラキラ」も紹介!
「これならすぐ作れそうだね〜」「このシルバーの空き缶(ビール!)ならたくさんあるわ・・・」「どうやってぶら下げるの?」などなど、質問やコメントもあれこれ。

午前中の研修が終わったところで、スイカと自家製ポテトチップ、梅ジュース、シソジュースをいただきました。美味しかった〜〜!

なんと8キロ超の大玉スイカ!獣たちにも負けずによくぞここまで大きく育てられたものです。
今年の初物でした。
奥に見えるのが、この畑でとれたジャガイモのポテトチップ。
前の日の夜中に揚げてくださったのだとか。

午後からは圃場の見学と認定作業とのことで、暑いのが苦手な私は「午前中だけで帰ります」と言っていたのですが、「せっかくだし少しだけ見せてもらおう」と思って畑に行ったら・・・止まらなくなり、あっちもこっちも見せていただき、すっかり師匠たちをお待たせしてしまいました。

キクイモ!


安納イモ。今年はなかなか苗ができなくて、植え付けが遅くなってしまったのだそう
ピーナッツ

お土産に珍しいチョコレート色のグラジオラスやバジルの株をいただき(ねだったという説もありますが・・・笑)、帰途につきました。

同じような考え方で実践している人たちと交流するのは、とても楽しい時間でした。よく考えると、こうしたことを大事にしましょう、というガイドラインに書かれていることが実践されている場でもあるのですね。

それにしても山や木々に囲まれて気持ちのよいところでした!


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