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ディスコな人生

ディスコエリジウム一周目クリアした。
本当に色々考えて、どうしようかと思った。こんなに人生や社会について考えてしまうゲームは初めてだった。

だけど70時間以上プレイして、すごく疲れて、少し寝てから感想を書こうとしたら
夢に市川蒼さんが出てきてそれどころじゃなかった。
市川蒼さんの気をひこうとして色々頑張って、それは現実世界でも片想い相手にアプローチするみたいだった。例えば茶道を長い間やってたと言うとか、彼に色々話しかけるとか。
彼は自然に私の日常にいた。まるで昔からの友達とか、家族みたいに。
あまりに自然すぎたので目が覚めたときにも何がおかしいのかわからなかった。ただ起きた時、自分のそばに彼が元からいなかったという事実に面食らった。
そして後悔した…彼に出会わなければよかったと思った。ツイステの声優に興味を持つこともなく、ラギーの声が誰かということさえ知らずにいれば。
あんなに素敵な人が手に届かない場所で、私と関わることもなく生活をしていることがすごく悲しい。
私はとても傲慢だから、好きになった人にはそばにいてほしい。恋人という関係でなくても、電話できたり、会える関係がいい。
だから片想いなんかしたくない。私はもう人を好きになることができない。今までたくさん男性に傷つけられてきた。その度に私は自分が魅力的じゃないことを責めた。
アイドルや芸能人に恋するなんてもってのほかだ。彼らは平気で妻や恋人の存在を隠して擬似恋愛の夢を見させる。

恋人でなくてもいいなんて嘘だ。魅力的な男性がそばにいたら、彼に恋人や妻がいたら嫉妬で狂うに決まってる。
そう思えば市川蒼さんが遠い存在でよかったのだろうか?イベントにも行かなければ、彼が本当は存在していないバーチャルな存在であることも否定できない。イベント会場で動く彼を見たら、どうしようもなく彼もまた人間であることがわかってしまう。そこに存在していて、呼吸していて、真っ白な雪のような肌、くりくり動く大きな瞳、明るく染めた髪、薄い腕の産毛…そういうのを目にしてしまったら、私はおかしくなって、死んでしまう気がする。

私が変になったと思う人もいるかもしれない。どうしてこんなに思い詰めているのかわからない。
誰とも会わず鬱屈としているから、一人の人間に執着してしまうのかもしれない。
彼の動画を見たり声を聞いたりするのが怖い。忘れてしまいたい。もう好きになりたくない。他人を愛したくない。


ディスコエリジウムは本当にいいゲームだっだ。幸い私はマルクスの『共産党宣言』を読んだこともあるし、読みかけのハードボイルドSF小説が手元にある。チャイナ・ミエヴィル、トマス・ピンチョン、『重力が衰える時』…ディスコエリジウムはこれ以上ないくらい言葉の力を信じている。
小説の中に入ってみたい…そういう人たちにとてもおすすめしたい。自分のどうしようもない人生に飽きているという人にも。自分が左翼なのか、はたまたレイシストなのか…そういうことを考えている人にも。
キムと主人公が雪原のブランコに乗って人生を語らうシーンが好きだ。アンナ・カヴァンの『氷』を彷彿とさせる、物悲しい雪の描写…

私は主人公の気持ちが痛いほどわかる。すべてを忘れてしまいたくなるくらい、人生が辛くて、もう生きていけないと思うことが、本当によくあることなのだ…そう、毎日、毎日…

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