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5月 留学報告書

 この1ヶ月は一瞬で過ぎて行ったように感じます。常に忙しかったからだと思います。気温は段々上がってきてはいますが、急に10月のような天気になる日もあるので服を選ぶのが難しいです。
 5月になるタイミングでたくさんの留学生がそれぞれの国に帰って行きました。そして数人の新しい留学生がやって来ました。1ヶ月が過ぎてみて今と1ヶ月前の自分の状況を比べると、かなり変わったことが周りにも分かるくらい顕著です。
 人が入れ替わってすぐ、私はそれまでいつも一緒に過ごしていた友達2人と一緒にいるのをやめました。3人でいるときはとても楽しかったし気の合う大好きな友達だったので、その状況に自分でも驚いたし、辛くてあまり眠れない日もありました。
 それまでは朝学校に着く前からスナップチャットで連絡を取って、学校に着いたらお互いのクラスに遊びに行ったり授業中にくだらない話をしたり、放課後も一緒に何かをしたりどこかに行ったりしていました。1日中くっついていても全く苦ではなかったし、丁度良い距離感だと思っていました。
 私の中で2人との間にシャッターが降りてしまったきっかけは、それまで知らなかった一面を知って尊敬することが難しくなってしまったことです。そして一度自分の中で引いてしまうと、今までは気になりも気がつきもしなかったことに目が行くようになり、悪い面ばかりが見えてしまうようになっていきました。前までは笑えていた2人の冗談に心から笑えなくなり、前までは共感できていた愚痴に疑問を抱くようになりました。2人と一緒にいるときの自分がありのままの私ではないように感じて居心地が悪かったです。 2人と一緒にいてもひどく孤独に感じるようになり、たとえ独りぼっちになってもいいから離れたいと思いました。
 1週間2人に何も告げずにお昼ご飯を一緒に食べるのをやめて、他の教室で別の友達と過ごしました。そうすると2人も気づいて、私もこのまま何も言わないのは不自然だと思ったので、2人に直接会って、私がなぜ2人から離れたいと思ったのか、これからどうしたいのかを伝えました。2人は私が2人を尊敬できなくなってしまったきっかけについて納得していないように見えましたが、私なりにその時考えられた精一杯の言葉で話しました。
 2人と友達ではいられなくなったけど、なぜか私の周りには前よりもたくさん友達がいるように感じます。週末にみんなで湖に飛び込んだり、ビクトリアに遊びに行ったり、新しい友達とたくさん知り合いました。カナダでの生活が残り2ヶ月を切ったタイミングでするべき行動だったのか、自信が100パーセントあったわけではありませんでしたが、自分の気持ちに正直でいられた私自身を誇りに思うし、気持ちは確実に楽になったので良かったのだと思います。
 後楽館高校にいたときも同じようなことがあって、その子と被っている授業に行かなくなったことで半分くらいの単位を落としました。きっと私は友達と一緒にいる中でどうしても譲れないことがあると、それを我慢し続けることはできない性格なのだと思います。だからと言って人と知り合うとき、友達になるときに相手と心の中で距離を取るなんて悲しくてできません。人のことはある程度信じていたいし、深く知って関わっていきたいと思うのは悪いことではないと思っているからです。これからもこういうことはあるだろうし、またその度に落ち込んで自分の生活や健康に影響が出るかもしれないけれど、ありのままで自分の気持ちに正直に行動すれば、時間はかかっても立ち直れると思います。2人に悪気がないのはもちろん分かっているし、私も2人を傷つけた自覚はあるので、2人も立ち直ってくれたら嬉しいです。
 カナダでの生活も残り1ヶ月です。振り返ってみるとあっという間でした。納豆が恋しいので早く帰りたいとも思いますが、ここで出会った人や場所から離れるのは寂しいです。遊び疲れるくらいカナダでの残り時間を楽しみたいと思います。

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