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茶筅の使いはじめとお手入れ

どんな道具も、使いはじめはドキドキするもの。特に抹茶を泡立てる茶筅は、繊細な見た目の竹製品なので、どう扱ってよいのか悩むこともあるかもしれません。そこで茶筅師さんに聞いた茶筅の使いはじめと、ジュウナナとニブンノイチ監修のお手入れ方法をお伝えします。これでもう迷わない~!

茶筅の使いはじめ

箱を開けると、新品の茶筅は箱の底にのり付けされています。

まずは茶筅を手前にゆっくりひっぱって、箱からはがしましょう。

はずすとこのように、茶筅の底面にはのりと紙がかたまってくっついている状態です。

次に茶筅をぬるめのお湯に浸けます。

15分ほど浸けておくと、のりが柔らかくなってスルッとはずせる状態になります。

手やティッシュを使いのりの部分をきれいに拭き取ります。軸の部分にお湯が染みているので、しっかり自然乾燥させましょう。


これで使いはじめは完璧です!

茶筅の使い方とお手入れ

茶筅は、消耗品です。丁寧につかっても、1-2年で寿命がやってきます。
でも日頃の使い方でちょっと気を付けるだけで、茶筅を長持ちさせることができます。

使う前に、お湯にくぐらせる

茶筅は竹でできているので、急な温度変化や湿度変化に強いとは言えません。

そこで抹茶を点てる直前に一瞬お湯にくぐらせて、茶筅をお湯になじませることをおすすめします。

私がいつもやっているのは、抹茶用に熱湯を冷ましている間に、そのお湯にさっと通すことです。

別々にお湯を用意しよう、と思うとちょっと面倒になってしまいます。どのみち茶筅で泡立てるので、自分でこれから飲む分のお湯にくぐらせてしまいます。

茶道では、お茶を点てる前に必ず「茶筅通し」という行程があります。
一旦茶碗にお湯を入れて、茶筅をくるくる回しながらお湯にくぐらせて、お湯を捨てて茶碗を拭いています。
このステップがあることで茶筅のダメージも軽減できると同時に、茶碗も温めているんです!すっごく理に叶っているな~と思うのです。

使ったあとはなるべく早く洗おう

茶筅は乾燥がはやいので、放っておくとついた抹茶を吸着して汚れになってしまいます。

できれば点てた直後か、お茶を飲んだらすぐに、お湯かお水にさっとくぐらせてあげると安心です。
抹茶を点てるときよりも少し多目の水で、軸を持ってしゃかしゃかと泳がせます。

水に通したら、ブンブンと縦に2回ぐらい振って水を切って乾かします。

洗剤を使う必要はなく、基本水洗いでOKです。
軸の部分も洗わなくて大丈夫です。

形がくずれてきたら、型直しを使ってみよう

茶筅は届いたときは丸みのある形ですが、使っているうちに広がってきます。

形の広がりが気になってきたら、「茶筅直し」という道具を使うのもおすすめです。

ここに差して乾かすことで、きれいな形を保って使うことができます。

なれてきたら水を切っていつもここに差しておけば落ちる心配もなく、きれいに乾くので便利な道具です。

ネットで500-1000円ぐらいで買えるので、気になった方は使ってみてください。いずれ当店でも取り扱えたらと思っているので、そのときはお知らせします♪
※小さめ茶筅(野点茶筅)の方はとりあえず気にしなくて大丈夫です。

茶筅の替えどきは?

長く使っていると、しだいに茶筅の穂先がポキッと折れるようになります。使用頻度によって違うので一概にいつとは言えませんが、何本も折れてきたらそろそろ替え時です。

穂先が折れてしまうと、私もポキッと心が折れたように悲しくなるのですが…丁寧に使っていても折れてしまうものなので、気にしないでください。穂先の折れてきた茶筅は牛乳を泡立てる時に使うこともできます。茶筅に感謝しつつ、抹茶用には新しいものを用意しましょう。

茶筅、長持ちさせよう!

さて、ここまで茶筅の使いはじめとお手入れについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

茶筅は竹製品。
いまやシリコンや金属の調理器具が多い中、はじめは扱い方に迷うこともあるかもしれません。

プラスチック製の茶筅も、ないわけではありません。
それでも私は竹の茶筅を推します!

ミリ単位で繊細に仕上げられた穂先、スラッとした綺麗なシルエット、丁寧に編まれた糸…
抹茶が美味しく点てられるだけでなく、使うたびにウキウキするような力のある道具なので、ぜひ使ってみてほしいなと思います。

手入れに悩んだら、気軽にご相談ください。
私のふるさとの名産でもある茶筅の魅力をお伝えできるようにこれからも頑張ってまいります!

今回使用した色糸茶筅はこちらです。

野点用茶筅も、小さくて便利です。

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