3.肉じゃがLINE罪 #絶望カプ
「先パァーイ、朝が来ましたよ。職場で目覚める朝、三日目とか…。泣ける」
「心配すんな俺も三日目」
「ああ、マイ布団が恋しい…干したことない湿っぽい布団だけどそれでも」
「布団くらい干せよ。つか仮眠室行けよ、ここのソファで寝るよりマシだろ」
「嫌です。…ここだけの話、絶対あそこなんか出ますよ」
「ここだけも何も有名な話だよ。だからみんな仮眠室行かずにここで寝るんだよ」
「あ、先輩LINE来てますよ」
「はぐらかしたな。つか誰だよこんな朝っぱらから…」
「ホント誰からですか、こんな朝っぱらから。あーあ、女の子からLINEとか来ないかなぁ。だったら俺、頑張れるのになぁ…。彼女だなんて贅沢は言いませんから、そーだなー、たとえば気心知れたかわいい幼なじみなんかが今夜肉じゃが作りに行くよとかハートの絵文字付きで優しく言ってくれたら、俺死ぬ気で今日中にホシ挙げるのに」
「…お前エスパー?」
「はい?」
「よし死ぬ気で今日中にホシ挙げろ」
「幼なじみいませんけど?肉じゃがもありませんけど?頑張れませんよ」
「俺は頑張れる」
「だれも優しく言ってくれる人いないのに!?」
『ふるさと納税のジャガイモが大量に送られてきたから今夜肉じゃが作りに行ってあげてもいいけど』
優しく言ってくれてはないし、ハートの絵文字もないけどな。
「今日はぜってー帰る!」
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