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母は母ですし、、、


この記事はFacebook LIVEの原稿を、LIVE 終了後に 一部書き直したものです。
LIVE はコチラからご視聴いただけます⇒https://fb.watch/kXx_MF7P70/

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要介護認定


高齢者施設で生活している母は、介護保険のお世話になっています。
介護保険を利用するためには、定期的に要介護認定を受ける必要があります。
先日その判定があって、ケアマネージャーさんが結果を電話で連絡してくれました。

「お母様の介護度が上がってしまいました!」

ケアマネさんは、それをとても大ごとに感じておられるようです。
娘の私も さぞショックを受けているだろう、と先回りして、

おかあさま、そんなに認知症が進んでいるとは私は思わないんですけど、
とさかんに慰めてくれます。

判定の受け止め方 -私の場合-


では、私はどう感じたかというと、

もちろん、母の症状は進んでほしくありません。
ですが、面会したときに
「おかあさん、変わってきたな」と思うことはあるのです。
それが年齢相応なのか、それとも認知症の進行によるものなのかは、
私にとってはさほど問題ではなく、
ただ、母に対する心配事が増えつつありました。

一方、ケアマネさんはこれまで一貫して
「お母様は全くお変わりありません」と言ってくれていました。
私の目には変化があるのに、この言葉を言われると、
「このケアマネさんはちゃんと母のことを見ているのかしら」などと感じることもあり、

今回の認定は、私にとっては自然に受け入れられることでした。

判定の受け止め方 -ケアマネさんの場合-


そんななか、
判定が変わったのに伴ってサービスが変わるため、手続きが必要となり、
つい先日、ケアマネさんと私、直接会いました。

そのときもまた、
「急激に症状が悪化したとは思わないでいいんですよ」
などと、慰めの言葉をたくさんいただきました。
そんなケアマネさんは、とてもやさしい方です。

一方で、どうしてそんな風に 判定結果をことさら気にするのだろう、とも思い、家でその話をしたところ、
「判定結果を受け入れられない家族が多いんだろう。そちらに寄り添うように自分をコントロールしているんじゃないか」
といわれ、なんか、納得。

私のおかあさんは そんなに症状がひどくなっているわけがない!
そんな風に、自分の親の衰えを受け容れられない人は 大勢いるのでしょう。
あるいは、親が認知症であることを受け容れかねている人にとっては、判定結果の数字が、人格のランクのように感じられるのかもしれない。

そういう方々の苛立ちの矛先は、とりあえず目の前のケアマネさんに向かうのでしょうから、ケアマネさんも自然、判定結果を伝えたあとは まず相手を慰める体制に向かうのでしょう。

判定結果と ケアマネさんのお仕事と


それだけでなく、介護認定の数字は ケアマネさん自身にも影響を与えているように私には思われました。
つまり、母の様子から「このくらいの判定になりそう」と想定するのではなく、
判定を受けて「これくらいの症状なんだ」と母の状態を判断し直しているような気がするのです。

ケアマネさんは 私の母だけでなく、高齢者を大勢知っておられるので、彼女自身の独自のスケールが彼女の中にできていて、この判定の人はスケールのこの位置、という風にポジションを決めているのかな…と。

お仕事のやり方として、それは大いにアリです。
このポジションに置かれてる人には こういうケアを、みたいにして、プランを立てていくのが、ケアマネさんのお仕事でしょう。
そういう方には、判定の数字はとっても大切。
判定によって 介護保険の使える範囲が変わってくるのだから。

判定結果はイロイロ解釈できる数字


でも、私にとっては、判定結果と母の症状とは必ずしも連動しません。
判定がどうあれ、母が徐々に衰えていっているのは間違いない。
そして、母がどれだけ衰えようとも、
私にとって 母は母であって、
要介護〇の認知症患者ではありえないのでした。 

そして、施設の方が母に丁寧に接してくださっているのを普段から見ている私は、
要介護認定の判定がどうあれ、施設のスタッフの母に対する態度は変わらないだろうと、スタッフの皆さんには絶大の信頼を寄せています。

その信頼感があるからこそ、私は
要介護認定がどうであれ、母は母。
判定の数字はただの数字でしかない、と言えます。

そして、ただの数字だからこそ、
立場によって いろいろと解釈できるのだと思います。





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