沼に落ちるということ

抜け出せないほどに何かにどっぷりとハマることを、
私は経験していないんじゃないかと思うことがある。

好きなものが何にもないわけではない。
量は多くないが本も読むし漫画も読む。
ドラマもアニメも見る。
好きなアーティストも何組かいる。

でも、世に「オタク」と称されるような、そういったハマり方は、してきていないなあと感じるのだ。

「好きの程度で自分の好きを否定しなくていい」
そんな言説を見かける度に、私のことだ、と思う。
否定しているつもりはないけれど、私、そこまではハマってないな、と頭をかすめる。

話し始めたら止まらなかったり、何度も何度も同じ映像を見たり、ありとあらゆるグッズを集めたり。
そこまでの熱は、私には、ない。

そもそも繰り返し何かを見たり読んだりするのはできないほうだ。
飽き性なので、と思っている。
1回見たらいいかな、となるので、繰り返し見たり読んだりするのはよほど時間を空けてでないと、ということが多い。

話し始めると止まらない人たちを見ていると、楽しそうだなあ、と思うし、あんなふうに好きだといえるものがあるのが羨ましくなることもある。

とはいえ、そこまでハマっていない自分自身が嫌いなわけでもなくて、
私は私で好きなものを好きでいられればいいか、などとぼんやりと思うのだった。

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