生活保護受給者もクレジットカードを持てる?

結論として「持てます」
以下に、

Xでの太田伸二弁護士のポストを転載します。

生活保護制度の最近の変更としてお伝えしたいのが「生活保護利用者がクレジットカードを利用してもよい」とされたこと。
これまではこのことは明言されておらず、むしろ一般論としては「借金をしてはならない」とされていたことからすると大きな変更ですし、債務整理の実務にも関わります。
生活保護利用者が借入をした場合、借入金額が収入として認定される一方、返済したとしても必要経費とは認定されません。なので、(返して手元に無くても)借りた額だけ保護費を減らされます。
そして、借金をしたことを申告していなければ、生活保護法78条によって保護費を返さなければなりません。
例外的に、福祉事務所の事前の承認を受けて借り入れる場合、収入と扱われないことがあります。収入として扱われない使途は以下のようなものです。
・就労や技能習得
・就学
・医療費や介護費
・結婚資金
・住宅資金・転宅資金
・配電設備・給排水設備
・年金受給権を得るための任意加入保険料支払
これまで述べたことからすると、クレジットカードも「借金」である以上、保護利用者が使った場合にはその分だけ収入認定される可能性がありました。
そのため相談を受けた場合は「使わないように」と答えてきました。
ただインターネットを通じた決済で使う必要のある場面は多く不便になっていました。
この点、生活保護手帳別冊問答集が改訂され、問12-4では、「日常的な買い物のクレジットカード一括払いや、携帯電話や生活に必要な家電等の割賦払いについては、社会通念上、生活費のやり繰りの範囲内であると考えられる」として、原則として許容することにしています。
続けて「利用が頻回または高額の利用にのぼることにより家計を圧迫」するような場合は助言をするとし、また保有を容認できない物品を購入する等のクレジットカード及び割賦払いの利用や、キャッシング等の借入は認められないとし、収入認定の可能性があることも述べています。
債務整理の場面で、生活保護利用者がクレジットカードを利用していたとしても、それが直ちに収入認定・保護費返還に結びつくものではないことは押さえていただいた方が良いと思います(その一方でキャッシング等があれば収入認定・保護費返還の可能性があることは依然として変わりません)。

太田伸二弁護士(X:旧Twitter)より

私は特に、転宅資金が収入認定を受けないことがすごく便利だと思います。
なぜなら私は複雑性PTSDと診断を受け、現在心理療法をしているのですが、東京都内の一部の自治体では生活保護受給者に年間72,000円までカウンセリング支援制度が適用されるので、特別なトラウマ治療費の負担が減る可能性があり、ぜひ都内に引越したいと思っていましたが、ケースワーカーから転居費用を自費で捻出してくださいと言われているため、一旦カードで引越しできるのはかなり助かります。

それと生活保護受給者のかたには、過去に自己破産をしたために信用情報がスーパーホワイトのかたもおられると思います。
そこからどのようにクレヒスを積んでいくかについては、次回の記事で書く予定です。

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