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木10ドラマ silent 第9話感想

前回、想が久しぶりに実家に帰ったとこで終わった。
今回は想が聞こえなくなり始めた頃がメインの話。
想と家族が耳が聞こえなくなった想の過去と現在に向き合う話。
切なく苦しい、だけじゃない話。
そんな9話を振り返る。


あらすじ
久しぶりに実家に帰ってきた佐倉想(目黒蓮)は、空になったCDラックを見て、大学にサッカー推薦で入ったものの、耳が聞こえにくくなったことで部活を辞めてしまったことや、青羽紬(川口春奈)に別れを告げると決めた日、母・律子(篠原涼子)に友達には病気のことを隠してしてくれと伝えたこと、そして大好きな音楽から自分を遠ざけてきた過去を思い出す。

一方の紬は、東京の部屋でCDを整理しながら音楽への想いについて考えていた。ある用事のために実家へ戻っていた戸川湊斗(鈴鹿央士)は、偶然にも同じタイミングで想も実家に帰っていることを知り、会いにいくことにするのだが…。


第2話で大学生だった二人が久しぶりに会って話した時の続き。
あの後、もう既に聞こえにくくなってた想はどんな気持ちだったのか。
どう思っていたのかが描かれた冒頭。
無理して作った笑顔から泣き顔になる想が苦しくなるくらい切ない。

誰がどうやって力になってくれるの?

あの当時の想は、まだ今みたいに思えなかった。
耳が聞こえにくくなってる自分を、現実を受け入れられなくて
悲しくて、苦しくて、辛くて…
自分自身どうしていいかわからなくなってて
そんな思いに包まれて、周りに壁を作って一人閉じこもっていた。

そんなことを言われたお母さんも辛い。
お母さんはお母さんで想のことを思って
隠してって言われたから隠して
ちょっとでも支えになりたくて
何とかしてあげたくて
でも想の現実を知ると辛く、
どうしてあげたらいいか分からなくなる。
自分の子供だから心配にもなるし
私が何とかしてあげなきゃって思う。
何でもかんでも想優先になってると他の兄弟から嫉妬される。
お母さんもお母さんで、いろんな苦しい思いをしてたんだな。

正直今までお母さんのことが詳しく出てこなかったから
自分の息子にちょっとでも悪影響を及ぼしそうなものは
排除しようと鬼のようになっているのかと思ってしまってたけど、
こんなにも苦しい思いをしていたなんて…

散らかったCD、iPodに繋がったイヤホンから漏れて流れる音楽
自分の耳が壊れたかな?って言う想。

さっきからずっと喋ってるつもりなんだけど、声出てないよね?

こんなこと目の前で泣きながら言われたら
大丈夫って言いたくても、苦しくて何も言えなくなってしまう。
いくら堪えても堪えきれなくなってしまう。
自分が無力だということを思い知らされる。
切なく苦しいシーンで、正直見てるのが辛かった。
お母さんの代わりに、何も言わないけど隣に座って
ポンっと想の膝に手を置くお父さんが優しかった。

想と湊斗が外で話すシーン
5話の冒頭で湊斗が話してた例の挟まってたメモ
湊斗がついた嘘。
まさかここで回収されるとは…
まぁ湊斗があんなことするとは思えなかったから
なるほどな!って思った。
それがこんな形で渡されるべき人に渡されるとは…笑

想が湊斗と楽しそうに話してるのを見かけて
聞こえにくくなってたあの時の想とは違くなってること、
昔の友達は遮断した方がいいと思っていたのが間違っていたこと
息子が前向きに成長していることに気付き嬉しくなる母。
このシーンはジーンときた。

想がこの8年間で思ったこと
耳のこと隠そうとして、みんなに忘れてもらおうとして
それが正解だと思っていたけど
そうじゃないって気付いたこと。
お母さんに対しても遠ざけるような態度をとっていたのには理由があったこと。
ちゃんと面と向かって話した想。

その言葉に対してお母さんが話した言葉。
この言葉には涙が止まらなかった。

困ったとき思い出したら相談してくれれば、いいんだよ。

この言葉もまた、想の心に温かい火を灯してくれるような
親の偉大さ、温かさを感じる言葉だった。

紬のお母さんは、
自身の経験談を元に子供にアドバイスを送って
好きなようにやらせるのに対して、
想のお母さんは
心配して気にかけつつも自分の子供の成長を見て
隣で、いや一歩後ろで見守ってあげる。
それぞれ子供に対する接し方は違うけど共通してることは、

いつでも子供のことを思って、見守って、
後ろから大きく手を広げて待っててくれる存在。
いつでも帰る場所を作って待っててくれる存在。

そんな風に感じた。
当たり前に思って忘れがちだけど、
すごく偉大で、温かくて、大事な特別な存在。

そんなことを想も気付いたから、車で送ってもらったとき
「ありがとう」って言葉が出たんじゃないかな。
8年前は「ごめんね」だったのが「ありがとう」に変わった想を見て、
お母さんも「行ってらっしゃい」って明るく笑顔で送り出せて、
そこには昔みたいな不安や心配はなくなって見えた。

このシーンの撮り方、第2話の伏線回収の仕方がすごく素敵で温かくて、
ジーンときて気付いたら涙していた。
でもこの涙は悲しみの涙じゃなくて、嬉しいというか温かい涙。
素敵なシーンだった。

想がまた昔好きだったCDと向き合うことができたのは
妹の萌ちゃんが想のことをずっと思って、守って、
家族の間を取り保とうとしてきたおかげ。
家族からも愛されてる想、なんて幸せ者なんだ。。

紬がずっとCDショップで見てたスピッツのアルバム。
あれは好きなアルバムだからっていうのもあるんだろうけど
きっと想のことを思って、

このアルバム手に取ったかな?
昔スピッツ好きでよく聞いてたな。
もう歌詞読んだかな?
どの曲が好きっていうかな?

なんてこと考えていたんじゃないかな。
好きなCDに囲まれて働く=好きな人の好きだったものに囲まれて働く
ってことだったのかな…?なんて思った。

サブスクじゃなくてCDだからこその良さ
検索するんじゃなくて歌詞カードで読むからこその良さ
何でも手軽になったけど、形があって手に取って見たり聞いたりするからこそ伝わってくる良さもあるのがCD。
今回の話で大事なアイテムになってるCD。
ここは自分的に結構刺さったポイントだった。
そして、光が想に対して少し心を開こうとしているのが見れて嬉しかった。

想のイタズラ、パンダの手紙。
このときの想は、完全に高校生のときのイタズラしてニヤッと
楽しそうに笑うあのときの屈託のない笑顔と同じだった。
耳がまだ聞こえていた時と同じ、
あの時と同じ笑顔。
また笑えるようになって本当によかったって思った。

晴れてるね

月が出てるのを見て言ったこの言葉
実は想の口癖だったと言う湊斗。
だから第1話で湊斗が「晴れてるね」って言ったとき
「そういうとこ好きだな」って紬が言ったら
一瞬気まずい空気になった湊斗。
あの時は紬がまだ想のことが好きなんじゃないかって思ってしまったんだよね。
ここもまた伏線回収。
今回は想が言ったことで「仲良いな」って湊斗のことを思い出す紬。

そして「ずっと」の手話
想が紬に教えてあげたシーン。
これはこのドラマのキービジュアルでも想が紬にこの手話を教えてあげていて
ここもまた伏線回収。
その後何ども嬉しそうに「ずっと」の手話をやる紬が可愛かった。

冒頭からちょっと悲しく切ない感じで
どうなるかと思ったけど
最後はすごく温かい気持ちになれた。
想の心のつっかえ棒になってたものが外れたみたいに
家族とのこと、大好きだったCDのことも
前よりももっと大切で好きになってて良かった。

最終回に向けてどんどん今までの伏線回収がされていて、今までの話も見返したくなるような仕掛けがたくさんあるのもこのドラマの魅力。

お互いに好き同士なのに
よく2人で会ったり、ご飯食べに行ったりしてるのに
付き合っていない紬と想。
そのままの関係も楽しいとは思うけど、
なぜ付き合わないのか?
次回はそれが明らかになりそうで、また楽しみ。

最終回まであと2話…

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