今書けること、今しか書けないこと

若いお母さんと2歳くらいの男の子。
お母さん、男の子のお尻に顔を近づけて、考えるような顔でクンクン。
確認するようにもう一度クンクン。

視界の遠方、ふと目に飛び込んできた光景。
ノスタルジーに包まれると同時に、ハッとした。
ドキッとした。

我が家に日中おむつを着用する人間はもはやいない。(夜は残1)
「クンクン」は、かつて私も幾度となく繰り返していた行動のはずだ。
しかし、当時の当たり前はすっかり過去のものとなり、自然には思い起こせない行動となっていた。
最後の「クンクン」がいつだったか、まるで思い出せない。

今回たまたま目にするようなことがなかったら、
若いお母さんがおむつの中の様子を気にかけるようなト書きを私が書くことは、永遠になかったかもしれない。(別に今も書いてないけど、書く可能性ができた)

「クンクン」の正体だが、男の子がおしっこorうんちをしたかどうか、確認しているのである。
トイレのおむつ交換台に行かずして、ずぼんをおろさずして、
1枚あたり15~20円ほどのおむつ、および、自身のエネルギーを無駄にしないための行動で、乳幼児のいる家庭の「あるある」である。

そんなわけで、表題の通りである。
当然、経験したことだけが書けることではないが、
直近の経験や思考は、記憶の引き出しの手前のほうに入っているので、
引っ張り出してきやすいのは事実。
会計用語で言うところの、後入先出法と言ったところか。

今しか書けないことを書く時間とエネルギーを十分にとりたいので、
そろそろ今の仕事のほう、動き出さねばと思っている。
居心地はいい職場だし、融通もきかせてくれる。
しかし、そろそろ。
そろそろ、そろそろ。

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