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なぜAmazonは日本で法人税を払わずに済むのか?

Amazonについて、
日本では法人税を支払っていないことを
ご存知でしょうか。

一体なぜそのようなことが可能なのか。

今回、そのカラクリを解説するとともに、
Amazonが行っている「賢い税金戦略」を
暴露していきます。

アマゾンは日本で法人税を払っていない?

「アマゾンが日本で法人税を払っていない」

ということが、
広く世間に知れ渡ったのは、2009年のことです。

東京国税局が、
アマゾンに対して140億円前後の
追徴課税処分を行ったことがきっかけです。

東京国税局は、
日本で法人税を払っていないアマゾンに対して、

「日本国内での販売収益に関しては、日本の法人税を払うべき」と指摘したのです。

このニュースが報じられたとき、
「アマゾンは日本で税金を払っていなかったのか」と世間で騒がれました。

外国企業であっても、
日本で商売をし日本で収益を上げている会社は、


原則として、
日本で法人税を払わなくてはなりません


アマゾンが、
なぜ日本で法人税を払っていなかったのか?
簡単に言うと次のようなことです。

日本での販売業務は、
アマゾンの日本子会社である

「アマゾン・ジャパン」と
「アマゾンジャパン・ロジスティクス」

が主に行っています。

「アマゾン・ジャパン」と「アマゾンジャパン・ロジスティクス」は、

アマゾン本社から、
販売業務を委託されているという形に
なっておりますが、

システム的に会社の利益のほとんどが、
アメリカ本社に吸い上げられる形になっており、
日本ではほとんど利益が残らないのです。

そのため、
アマゾン・グループは、
日本で法人税を払わなくなっているのです。

それに対し、

日本の国税当局は、
アマゾン本社が日本から得ている収益は本来、
日本で納税すべきとして、課税に踏み切ったのです。

アマゾンのアメリカ本社は、
アメリカで納税しており、

日本で納税すれば二重課税になる

として、日本の国税当局に異議を唱えました。

そして「日米の二国間協議」を申請したのです。

要は、
「アメリカ本国の税法に従って納税しているので、文句があるならアメリカ政府に言え」
ということです。

それで実際に、
日本とアメリカの二国間協議になったのです。

その結果、どうなったのかというと、
日本が全面的に譲歩する形になったのです

日米租税条約は不平等条約?

日本で商売をして儲かった金は、日本で税金を払うべき」というのは、

普通に考えれば当たり前の話です。

また、

日本企業が、
アメリカで商売をして儲かった場合は
アメリカで納税しています。

にもかかわらず、
なぜ日本は譲歩する形になったのか。

実は、

国際間の税金ではこういうことは、
よくあることなのです。

他国籍企業やグルーバルで収入が、
ある人の税金については、

関係各国で結ばれた「租税条約」に基づいて
課税されることになっています。

「租税条約」というのは、

表面上は、

お互いの国が平等にできています。

しかし、細かい実務の運用となると、
両国間での協議となります。

そして、両国間の協議では、
その国同士の力関係が大きくモノを言うのです。

たとえば、
日本のプロ野球に来る助っ人のアメリカ人は、
日本で所得税を払うことはほとんどありません。
が、日本人選手が大リーグに行った場合は、
アメリカで所得税を払っていることが
ほとんどなのです。
日本とアメリカの外交関係は、
表向きは平等になっています。

しかし、実務運用面となると、
アメリカ有利になることが多々あるのです。
日本とアメリカとの関係は、
今でも実質的には「不平等条約」なのです。

Amazonの賢い税金戦略とは

アマゾンは、
現在、先進国を中心に、
世界中でビジネスを行っています。

そして、

アマゾンはタックス・ヘイブンを
うまく活用して、

大幅な節税を行っていることで知られています。

アマゾンは、

子会社を税金の安いタックスヘイブンに置き、
グループ全体の利益をそこに集中させて、
節税をしているのです。

クレジットの決済機能を、
アイルランドのタブリンに置いたり、

ヨーロッパでの、
ビジネスの利益はルクセンブルグに
集中するようになっています。

アイルランドもルクセンブルグも、
世界的にタックスヘイブンであり、

特にルクセンブルグは、
アマゾンに対してはさらなる税優遇措置を
講じています。

もちろん、
これは世界中から非難を浴びています。

が、アマゾンは、
グループ全体の納税額の半分を
アメリカで納めています。

2013年を例にとると、
アマゾンは全世界で300億円程度の税金を納め、
その約半分はアメリカに納めています。

実は、ここがミソなのです。

アメリカにもっとも多くの税金を納めることで、
アマゾンはアメリカの税務当局の心象を
よくしているのです。

そのため、

アマゾンが他の国から課税問題で
もめたときには、

「文句があるならアメリカ政府に言え」

ということができるのです。

アメリカの税務当局は、
アマゾンが他の諸国で税金を払うよりは、
自国で税金を払ってもらいたいと思うわけです。

結果、

アメリカの税務当局がアマゾンの後ろ盾になる
形で、アマゾンのグローバル節税が
可能になっているのです。

まとめ

ただ、1つ言える事実として、
Amazonは捕まっていない。
Amazonという企業は、生き残っている。

どいうことか、

つまり、
全て法律に基づいて、
手元に増やすお金を多くしているのです。

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