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読んだ本の感想です。基本、ネタバレはありません。
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2022年8月の記事一覧

【読書】「当たり前」は当たり前ではない~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.437 2022.8.15)~

「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事第40弾です。 そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。 今号の特集は、「プラスチックフリーな生き方へ」です。 認識していた以上に私たちの周りはプラスチックだらけなことが分かり、いろいろショックでした。缶詰にもエポキシ樹脂が使われているとは……。接着剤に使う、あのエポキシ樹脂です。 これ、経験上うすうす分かっていました。プラスチック容器(もちろんレンジ対応)に入れたカレーを温め直すと

【読書】資本主義が目覚められないなら~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.436 2022.8.1)~

「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事第39弾です。 そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。 今号の特集は、「平和つくる絵本」です。 ミュンヘン国際児童図書館の誕生に貢献した、児童文学者でありジャーナリストのイエラ・レップマンの言葉が印象的でした。 レップマンがユダヤ系ドイツ人であることを思うと、この言葉が更に重みを増します。 浜矩子の「新ストリートエコノミクス」に出てきた覚醒資本主義という言葉は、初めて知りました。

【読書】宗派・宗教の境を超える蔵王権現~『新・蔵王権現入門』(総本山金峯山寺)~

この春に金峯山寺の蔵王権現の特別ご開帳に行った時、見出し画像に使ったチラシを頂き、発売されたら読もうと思っていました。「今秋発売予定かー」と楽しみにしていたのですが、最近チラシを改めて見て気づきました。「令和3年10月刊行」と書かれていることに。つまりもう発売されていました。 ↑kindle版 で、早速図書館で予約し、読み始めたのですが、楽しみにしていただけのことはあり、すごく役に立ちます。kindle版もあることだし、買って読めば良かったかなと思ったくらい。また読みたく

【読書】一気読みできる作品~『ひと』(小野寺史宜)~

小野寺史宜という作家のことも、『ひと』という作品のことも、実は全く知りませんでした。この本は、たまたま母が借りてきたものなのですが、こういうのもご縁ですね。 ↑kindle版 それこそこの作品は、ご縁(五円)から始まる物語です。主人公の聖輔は所持金55円で50円のコロッケを買おうとするのですが、人が良い彼は最後の1個のコロッケを、見知らぬおばあさんに譲ってしまうのです。でも結果、店主が120円のメンチカツを50円で売ってくれ、5円とそこで働くというご縁が残りました。 コ

【読書】テーマは重いが、読みやすい~『JR上野駅公園口』(柳美里)~

この作品は一昨年全米図書賞を受賞して話題になった時、「読まなきゃ」と思ったものです。でも重いことは分かりきっていたため、何となく手が伸びませんでした。でも今回偶然手に取る機会があったため、「これを逃したら、もう読まないだろう」と思い、読んでみました。 ↑kindle版 読みだして驚いたのは、ぐんぐん読めること。もちろん予想通り重いことは重いのですが、ページをめくる手が止まらないのです。これは久しぶりの感覚でした。 主人公は、「天皇」と同じ年に生まれた上野公園の路上生活者

水中遺跡にも目を向けるべき~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.435 2022.7.15)~

「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事第38弾です。 そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。 今号の特集は、「海の季節。水中遺跡へようこそ」です。 日本では「陸上の考古遺跡が46万ヵ所以上特定されているのに対し、水中遺跡は387ヵ所しかなく、年間の発掘調査も約9000件のうち水中遺跡は1件程度です」という、木村淳さんの言葉に、日本では水中遺跡のへの関心が低すぎることを知りました。木村さんの推測では、未確認の水中遺跡が10

【読書】この本での「子ども」には若者も含まれる~『子ども白書2022』(日本子どもを守る会編)~

表紙の絵の可愛らしさに加え、カバーの見返しと冒頭に「児童憲章」があるので、この本が指す「子ども」は乳幼児から小学生までかと思い、読み始めました。学校教育法的には、児童は小学生のことなので。 しかし読み進めるうちに、中高生・大学生に加え、どうも20代の一部も含めているらしいと判明しました。そういう意味で、『子ども・若者白書』と呼んだ方が、内容を反映していると思います。ただそれでは、内閣府が発表している『子供・若者白書』と被ってしまいますね。 ちょっと気になったのは、時々カタカ