ゆるゆると新年きたり
明けましておめでとうございます。
昨夜は、紅白歌合戦を聞きながら寝落ちしてしまい、気づけば、さだまさしさんが喋っていました。
学生の頃は、紅白歌合戦はどちらが勝ったか知らないと、クラスの中で浮いたりしたものですが、今はネットがあるのでサクッと知ることができて便利です。
さて、昨年末より始めた五七五、今年も更に気合いを入れてやりたいと思っています。
これが現役の看護師時代でしたら、五七五とストレスの観察をして、発表したことでしょうね。唾液でストレステストして、五七五をやることでストレスがどう変化するとか。
個人的には自律神経が整う感じがするので、看護に五七五を取り入れても面白そうです。
ストレスチェックのできるスマートウォッチとかないかしら。
なんて、五七五の世界に魅了されたわたし、2022年も詠んでいきたいと思います。
春炬燵退職したら友は妻
(はるこたつ たいしょくしたら ともはつま)
季語は「春炬燵」です。
わたしの父は60歳で退職してからは、再就職しませんでした。娘がログハウスを建てると言うと、率先して手伝い、娘が始めた趣味の園芸を手伝っていました。
畑に葡萄を植えて、春になると剪定したり、受粉したり、実がつくと間引いたり、袋かけしたり、お金にならないことに精を出して、ずっと家にいました。
社会との繋がりもなくなり、友だちというか話し相手は妻と娘くらいでした。
酒断ちす言葉交わせし伴(とも)は妻
(さけたちす ことばかわせし ともはつま)
ある俳優さんが、「酒を止めたら飲み友達がいなくなって、話す相手は妻だけになった」と言っていました。
酒を止めたり、仕事を辞めたり、何かやめて手放すと、そこにくっついていた人間関係が途絶えてしまい、気がつけば隣にいてくれるのは妻だけだった、、。
せめて妻だけでもいてくれたらいいですが、どれだけの人が、寂しい冬の夜を凌いでいるのかなあ。そんな気持ちになってしまって、詠んだ句です。
お節介な話です。
ところで、この俳優さん、友だちといったら飲み友だちばかりだったそうです。だから、酒を断つと友だちもいなくなった。
健康を害さない程度だったら、酒も飲み友も断つ必要もなく、家庭と友だちと、いい距離感でいられたら最高なのにと思います。
猫が好きそれでじゅうぶん春隣
(ねこがすき それでじゅうぶん はるとなり)
季語は「春隣」です。
まだ冬の終わりとはいえず、まさに冬の真っ只中ですが、それでもあと一月もすれば暦のうえでは春になります。
手を伸ばせば、あたたかい体に触れられる。いつも手の届く、隣に猫がいてくれる。ただ猫が好き、そう思うだけで十分に幸せです。
たんぽぽの風まつ穂絮東風よ吹け
(たんぽぽの かぜまつほわた こちよふけ)
季語は「たんぽぽ」ですが、「東風」も春の季語でした。
穂絮は綿毛のことです。今にも飛び立とうとして風を待っているたんぽぽの穂絮。
できることなら、あの人が居るという方向に飛んで行けるように、東風が吹かないかなあという句です。
春に吹く東風は温かい風で雪を解かし、梅の花を咲かせます。でも、ときに強風となって時化を呼ぶ風でもあります。
「会いたい」という切ない気持ちと、「会わしてくれなければ、春の嵐になっちゃうよ」という気持ちを込めた一句です。
朝風呂とパックと福茶でピッカピカ
(あさふろと ぱっくとふくちゃで ぴっかぴか)
季語は「大服」の関連季語の「福茶」です。
一年で一番初めに汲まれた若水には、邪気を払ったり、若返る力があると信じられてきました。
若水で淹れたお茶を福茶、煎茶やほうじ茶に結び昆布や小梅を入れて飲みます。
我が家はそんな習慣はありませんでしたが、俳句を初めてから、日本の古くからの慣習に関心を持つようになりました。
若返ると言われたら、飲むという選択肢しかないですね。ピチピチになるより、膝や腰の痛みがない程度の若返りが希望です。
さて、朝風呂をして、使わずに置いておいた "とっておき"のパックして、お茶を飲んで、海岸線をドライブしてこようかな。