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平面図しか描けない脳でも「ものづくり」

小学生の頃だったかな。立体を平面図に展開したもの(展開図)を示して、「元の形はどれですか?」と質問するテストがあった。

わたしだって、縦、横、高さを示されると、立方体の体積くらいは計算できる。しかし、展開図が超苦手だった。というか、過去形ではなく、いまだに展開図は苦手だ。

どうやらわたしの脳は二次元の作り、つまり縦と横の平面な世界みたいだ。

これは脳の情報処理の仕方で分けた考え方である「次元」とは違って、縦横の平面図しか描けないわたしの脳を、勝手に卑下して呼んでいるだけ(笑)。

でも、わたしたちが住んでいる世界は三次元空間なので、普通なら三次元が一番イメージしやすい筈なのに、わたしの脳は一本、抜けているようだ。

だからかな、この前作った手帳カバーとか、昨日作った文庫カバーみたいな縦横構造なら簡単に作れる。でも、トートバッグは高さが加わるので難しい。

思考なら、多面的でも、多角的でも幾らでもできるのに、手で触れられる物体となると、どうしてこんなに苦手なんだろう。

頭を強く打った事故の後遺症とか老化によるものとか、言い訳を並べてみたが、小学生の頃から苦手なので先天性、遺伝によるものと結論付け。

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昔付き合っていた男子は、物体を見るとすぐ数式に落とし込んでいたし、描く絵は立体的だった。同じ景色を見ても、見えている量も質も深さも、まるで違っていた。

見え方が違うと、価値観もズレてくる。半年足らずで別れてしまった。

そんな過去はさておき、トートバッグ作りの手慣らしとして、手帳カバーと文庫カバーを作った。

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2次元の作りなのでチョロい。同時進行で、トートバッグの型もどきを新聞紙に描いて、切って、テープで貼り合わせて、ヨテヨテのトートバッグもどきを作った。

そこから、100均で買ってきた図工画用紙で型紙もどきを作成。師匠がヨテヨテのトートバッグを更に具体化して、ピシッと自立したトートバッグの型紙に仕上げてくれた。

めちゃめちゃカッコいい!これをミシンを使わずに、完全手縫いのオリジナル作品にしていく。

ミシンで縫ったらあっという間に出来るが、手縫いに拘るわたしは、8番菱目打ちで穴をあけて、狭いピッチでチマチマ縫う。

蝋が塗られた糸をキュッと締めながら、一目一目丁寧に縫うのが快感だ。ただし、指への負担は半端なくて、腱鞘炎の一歩手前の様な痛みがあるので、今後は創作ペースを落とすつもり。

11月中にトートバッグを仕上げる。12月には白いブーツを作り始めて年末を迎える。年が明けたら急ピッチでブーツを仕上げて、春には軽やかに白いブーツでお出掛けする。

お金にならない趣味の「ものづくり」だが、自分で作ったお気に入りに囲まれた生活は、何とも贅沢で、つい顔がにやける。


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