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今日のだいたい2時 6月後半

6月21日(月)

数羽のハトが一度に飛び立つ様子を見ている。
どうしてハトは同じタイミングで飛び立つんだろう。
広い公園などで集団のハトがバサバサーっと飛び立つのを見るたびにそう思っているのだけど、それはもの心つくころからの謎である。
インターネットで調べれば大概のことがわかる世の中だけど、一生謎のままのほうがロマンがあって人生の色が濃くなることもある。
わたしとハトの関係もそのうちのひとつです。

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6月22日(火)

炎天下の中を妹とジョギングさせられている。
もう一人の妹が運転する自転車に乗っている息子が、
「かあちゃんたちは走って」とにこにこ顔で指示するのだ。
帰ってからみんなで入った水風呂は極上だった。

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6月23日(水)

息子をだっこしながら午後の散歩中。
住宅地を練り歩いていると、
家と家の細い隙間からぴょこっと2人の子どもが出てきた。
猫みたいとつぶやくと息子がこくんと頷いた。



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6月24日(木)

どら焼きを半分だけ切って食べる。
そのあとすぐ、本当はとっておこうと思っていた半分も食べてしまった。
生半可な決意では「おやつを半分だけとっておく」なんてできない。
クライマックスが近い小説は塩辛をつまむみたいにゆっくり楽しめるのに。

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6月25日(金)

母が「甘いココアは飲めない」と言う。
喫茶店でココアを頼んだら「お砂糖はお客さん自身で入れてください」
と机上の砂糖入れをすすめられたことがあった。
甘くないココアがあると知ったときは「甘くなくておいしいのかしら」と思ったけれど、初めて飲んだときはそのじみ深い味に感動した。
そしてどうして母とココアの話題になったのかは思い出せない。

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6月26日(土)

息子と1時間くらい昼寝をした。
泥水にはまってズブズブ沈んでいくような眠りで、
寝起きのコンディションは最悪だった。
夫りゅうまも違う場所で死んだように昼寝していたらしい。
打ち合わせなどしていないのに今日はTシャツもお揃いだった。
家族でいろいろとリンクする日。

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6月27日(日)

バルコニーでお茶を飲んでいる。
焚き火とか湖とかを前にしてぼーっとしたい。おしゃべりもいらない。
バルコニーには焚き火も湖もないけれど、どこにいても大きな自然の中に住んでいる。そう思いながら。

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6月28日(月)

国際興業バスを待っている。
血縁なのか乗り物好きな息子が特別反応するのがバイクとバス。
そのバスについに乗車することができた息子は、小さな足をぷらぷらさせてちょこんと座り、ちょっとドキドキしながら、この瞬間をめいっぱい味わうようにひとりウフフッと笑っていた。

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6月29日(火)

出先から地元の駅に戻ってきた。
車で迎えに来てくれた妹の運転はブレーキの操作もアクセルの扱い方も丁寧で、一度も酔ったことがない。安心してうわのそらでいられる。
そういえばオートマ車限定解除の短期合宿に行った時、オートマ車とマニュアル車の操作の違いに絶望した。せっかく温泉もあるいい感じの宿に泊まっていたのに食事もろくに楽しめず、「あなたこのままじゃ落ちるわよ」と教官に呆れられ、おまけに携帯電話まで家に忘れてきてしまった。夜中、監獄のような宿の部屋でひとりごちながらクラッチの練習をひたすらした。今ではよい思い出。

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6月30日(水)

風通しの良くないもんわりとした部屋で仕事をしている。
座っているだけなのに、背中と額に汗が何本も滴る。
昔、「一局終わると1キロ痩せています」みたいなことを棋士のどなたかがテレビの向こう側で言っているのを聞いた。
今日のわたしは結構カロリー消費したかもなぁむふふと思ったけれど、休憩でがぶ飲みしたカフェオレですべて相殺されてしまったでしょう。

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