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今日のだいたい2時 6月中旬

6月11日(金)

近所の銭湯にいる。
通い慣れている玄人にはムダな動きがほとんどない。
入浴券の購入から番台の人との世間話、
上がったあとに脱衣所で身体を仰ぐうちわの使いこみ具合、
そして冷蔵庫のフルーツ牛乳を手に取り飲む所作まで。
ムダな動きが多いと「あいつは新参者だな」とすぐにバレる。
「幼児はおいくらですか」と聞くそんなわたしは素人まるだし。

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6月12日(土)

たたんだ洗濯物をしまっている。
いつか気が向いて着たくなるかもしれないという服は、
ぞうきんにもできないのでタンスの奥でなおざり状態になる。
どれもみんな好きで買った服なのでおざなりにしたくない。
こうして衣類のグレーゾーンが増えていく。

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6月13日(日)

遅いお昼ごはんのあと居間で脱力している。
妹が鏡を探していて「あった」と手に取ったそれは銀のポット。
それでいいのかいと聞くと、
「魚って前から見たらこんなんだよね」と言われた。

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6月14日(月)

お散歩がてら息子と近所のスーパーへ。
仕事中に息子と遊んでくれていた妹へのささやかなお礼を買う。
焼きたてを手づかみで食べきってしまうほど美味しく、
生クリームを添える間もないシフォンケーキを彼女は焼く。
彼女は焼く専門なのでお礼は生クリームを買って立てることにした。

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6月15日(火)

帰りがけの中学生とすれ違う。
中学生と呼ばれる12歳から15歳くらいって、
茫漠とした未来と無鉄砲で繊細な感受性がカオスな時代だと思う。
あの頃の自分があの時のタイミングで感じていたことは全部本物だ。
子どもとか大人とかそういう見た目のことはぜんぜん関係なくて、
鋭利で敏感な若い細胞なりに沢山のことをインプットしているんだよ。

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6月16日(水)

パーマを当てている。
いわゆる円盤みたいなものが回ると思ったら、
最近はこういうのが主流という温かいミストを吹き当てられた。
いただいた冷たい紅茶をぐびぐび飲んだら隠しようもないほどむせる。
ものすごく恥ずかしい。

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6月17日(木)

おつきさまの絵本を読んでいる。
絵本というカテゴリーに目覚めた息子のお気に入りの一冊で、
昼夜問わず「一緒に見よう」と誘ってくれる。
月の本を真昼に読むのはムードに欠けるなと思ったけど、
明るい時間のお空にも月はあるのよね。見えにくいだけで。

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6月18日(金)

デジタル時計で2時22分を見て妙にテンションが上がる。
そのあと母におみやげだと言って鳩サブレーをもらったので、
今日はもうウハウハである。

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6月19日(土)

お気に入りのジーパンを繕っている。
おしりに空いた穴を発見したときは目の前が真っ白になった。
やぼったくなっても大好きだから履きたい。
繕い終わるとBOROの赤ちゃんみたいになった。可愛い。

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6月20日(日)

三角タップを探して商店街を歩き回っている。
町の電気屋さんのシャッターがことごとく閉まっているのは、
今日が国民の休日だからだろう。
大型スーパーは改装工事のため日用品の品揃えが壊滅的だった。
探し物がなかなか見つからない日曜日の午後。

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