今日のだいたい2時　5月中旬

5月11日(火)

ベランダでパソコン仕事をしている。
風の吹き方、気温、陽の傾き、どれをとっても言うことなし。
ほこほこと気がゆるむ。
そして、消してはいけないところを消してしまった。
文字通り目の前が真っ白になった。
コマンドZにこれほど感謝したことはない。

5月12日(水)

畳でごろごろしている。
えんぴつで沢山の絵を描いたので一休みしていた。
息子が片言で何かしゃべりながらゆらゆら歩いて来て、
見るとマンガ本を耳に当てている。
そのマンガの裏表紙には二つ折りの携帯電話の絵が描いてあった。
息子が見慣れているのは、わたしの二つ折りケータイ。
なるほど。あなたは電話をかけているのね。

5月13日(木)

食後のコーヒーを飲んでいる。
妹がコーヒーにまつわる本を借りて来て、
そこに書いてある工程を見ながら丁寧に淹れてくれた。
喫茶店で飲める濃くて深い味がした。また飲みたい。
数年前、
「温めた牛乳でコーヒーを淹れたらカフェオレになるかも」
と思いやってみたことがある。
それはもう一度やる気にはならなかった。

5月14日(金)

公園を散歩中によくすれ違う人がいる。
黒いキャップに細身のパンツ、それに大きめのトレーナーを合わせ、
オレンジ色のサコッシュをさげている。絶妙なセンス。
実はその人、すれ違うたびにまったく同じスタイルなのだ。
毎日同じスタイルというのに妙に憧れた時期があった。
わたしは通り雨みたいにその日の気分が変化するので、
未だに実現していませんが。

5月15日(土)

睡魔に襲われ、敗れた。
それはもう深くて瞬発的な眠りで、
地面に落ちて溶け始めたソフトクリームのような心地だった。

5月16日(日)

妙に首元が心許ない。
と思ったら、さっきまで付けていたストールがなかった。

5月17日(月)

ラフを描き終えて休憩している。
新しいUSBに名前をつけていたら10分くらい経ってしまった。
身近なモノに名前をつけるのはおもしろい。どきどきする。
「ねぇ、なんて呼べばいい？」
と、入学式でちょっと親しくなった子に聞くような感じ。

5月18日(火)

遅めのお昼にカレーピラフを作った。
寝起きの息子がほしそうにしたので一緒に食べる。
インドでは子どもにスパイスを慣れさせるため、
離乳食などに少量のスパイスを混ぜると聞いたことがある。
息子は、手加減なしのスパイスデビューとなった。

5月19日(水)

息子の昼寝が始まりそうで、一緒に布団でうとうとしている。
こういうときに当てもなく思いつくのはくだらないことばかり。
お酒が飲みたいのにお猪口がない。
そんなときはちくわを切ればいい。
おつまみにもなるし。これぞ一石二鳥。
と、そんなようなこと。

5月20日(木)

台所で味噌汁を立ち飲みしている。
なんとなく機会が無い。あと一押し思いきれない。
などいろんなことが重なってできていないことのひとつに、
立ち食い蕎麦屋でおそばをすするというのがある。
ズズっと食べてさくっと店を出る。
そんな小粋なふるまいに憧れながらいつか自分もと。