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今日のだいたい2時 11月前半

11月1日(月)

羊蹄山の湧き水をくんでいる。
そのあと、すぐ横のお豆腐屋さんで「すごい豆腐」を買う。スーパーのお豆腐もおいしくいただくけれど、ここのは秘密にしたいくらいおいしい。車に乗って小腹が空いた頃、「おからどうなつ」を迷った挙句に買わなかったことを悔やんだ。

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11月2日(火)

夫と坦々麺を食べている。
夫の器を見ると、食べ始めてから結構時間が経っているのに半分くらい残っている。やけにゆっくり食べるなぁと思って尋ねると、「山椒を増し増しにしすぎて、辛くて、ゆっくりじゃないと食べられない」と、水をがぶがぶ飲みながらも楽しそうに夫は言った。ゆっくり食べられて消化に良さそうねと思ったけど、とてつもない山椒の摂取量に臓器は耐えられるだろうかと少し心配になった。

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11月3日(水)

たいてい持ち歩いている電子機器をすべて家に置いてきてしまった。
そんな日に限って、運転席から眺める雪が積もり始めた山肌の群青色と麓の紅葉はため息が出るほど美しく、濃くて芯のあるオレンジ色の夕焼けは、最近あった悲しいことや嫌なこと全部を抱きしめて許したくなるほど綺麗だった。

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11月4日(木)

近所の小学生たちとおしゃべりしている。
ふと彼女たちの手のひらにインクのようなものが見えて、何それ?と聞くと、手のひらを開いて見せてくれた。「しゅうじセット」と書かれた桃色の、ほんのり湿ってあたたかそうなかわいい手のひらだった。

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11月5日(金)

岩塩用に使っている木製ミルが挽けなくなった。
金具と木の部分の噛み合わせが甘くて、いくら回しても挽ける手応えがない。これ買ったばっかりなのにーと思っていると、夫がそそくさとネジザウルスを持ってきて、先端の金具をはさんでゴリゴリ回し始めた。そうか、要はそこが回ればいいのだ。金具の先端にぜんまいをつけたら素敵だなと思いつき、夫にぜんまいを渡しておいた。果たしてどんな風に直してくれるだろう。

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11月6日(土)

ノラ・ジョーンズが好きなお客さんが来ていて、数年ぶりにアルバムをかけた。
おかげで『マイ・ブルーベリー・ナイツ』を観たくなる。そしてお決まりの、ブルーベリーパイにバニラアイスを添えるやつも食べたい。

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11月7日(日)

息子と近所のフラヌイ温泉に来ている。
なんとなく便利なのと手頃なものが他にないという理由で、ビニール製のショップバッグを風呂道具を入れるカバンにすることが多い。それもそろそろ卒業したいと思っている。粋で、かつ機能性も兼ね備えたすてきな風呂道具入れ。どんなのにしようか。

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11月8日(月)

冷凍しておいた四角いおもちを焼いて食べている。
つきたては何もつけずにハフハフしながら食べたい。あんこ入りの豆大福なんかは、翌日かたくなったものをトースターか網で焦げ目がつくまでしっかり焼くとうまい。これがしたいがために、買った当日の豆大福は食べないなんてこともあったりなかったり。

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11月9日(火)

こわい夢を見て起きた。午前2時だった。
これはもう、朝がちゃんとやって来ることを確認するまで眠れない。とりあえず布団を這い出て家中の明かりをつけ、台所へ行く。それで少しほっとして、見知らぬ人の音楽をYouTubeで探して流し、手近にあった細川亜衣さんのレシピ本を雑誌のようにパラパラ読む。その後おからを炊いて、くるみを砕いてライ麦をいっぱい入れたパンを12個焼いた。そのうちの一個をまるっと食べると、ようやく布団にもぐりこめました。

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11月10日(水)

山の公園でおにぎりを食べている。
今日は四角い気分じゃなかった。だからまるいおにぎり。

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