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今日のだいたい2時 8月中旬

8月11日(水)

息子が母の膝の上で、母が食べようとしていたスパゲティミートソースを食べている。おかしい。きみはさっきカレーライスと枝豆を食べて、おたまいっぱいのコーンスープまで飲んだはずだ。

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8月12日(木)

数年前に行った青森の湖を思い出している。
その日は、湖まで歩いてすぐのキャンプ場に泊まっていた。夫と二人、湖のほとりに折り畳み式のイスだけ持って行き、気のすむまでぼーっと過ごした。そこでたっぷり満たされたおかげで、あたりが暗くなってきてもキャンプらしい食事を作る欲望がわいてこなかった。結局、夕飯は女川のかまぼこ屋さんで買った訳ありかまぼこを食べて、あんまりおしゃべりもせずに眠った気がする。

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8月13日(金)

「47都道府県をあいうえお順に書けるか」という母からの挑戦状に姉妹で取り組んでいる。
これは思ったよりも難しく、社会のテスト中みたいな気持ちなる。最後まで出てこなかった県がなんと2つもあった。その2県には、縁とゆかりをつくる旅にいつか出かけようと思う。


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8月14日(土)

肌寒くなってきて靴下を履いた。
足に靴下がすっぽりおさまると、もうそれだけで気持ちがゆるんだ。夏場、汗をかいて冷えた身体でお風呂のお湯に浸かると、じゅわ〜と温まる。あの感じに似ている。そろそろ開店する秋をのぞき見したみたい。

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8月15日(日)

好きな食べ物はなにかと聞かれたらシベリアと答えるかもしれないと思いながら、シベリアを食べている。
思い出すだけで胃袋が悶絶する好物はそれはそれはたくさんある。そんな中、ようかんだけでなく、カステラだけでもない、しっとりともっさりを同時に味わえる小粋でハイカラなシベリアは、欲深いわたしにとっては特別な存在である。

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8月16日(月)

コンビニのレジに「肉まん一つと、ピザまん一つください」と言う女の子たちがいた。姉妹かな。その子たちを見ていたら、いつかの夏休みの自分と妹の姿が思い出された。買った中華まんを大事そうに手さげかばんにしまうと、女の子たちは夏の緑が生い茂る道に溶けていった。

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8月17日(火)

チョコレートケーキを焼いた。
思いがけず中身がフォンダンショコラみたいになってしまいエーと叫びそうになったけれど、「これはバニラアイス添えて食べたい」という妹の未来系の感想を聞き、これはこれでおいしいからまぁいっかとストンと思えた。ガスオーブンの温度をもう少し下げて焼き時間を長くすればよかったんじゃない?……みたいな、細かい過去形の感想を家族から言われたことはほとんどない。おかげで小さなみほちゃんはおやつを作ることの喜びをいっぱい感じてこれたのかもね。

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8月18日(水)

車の中で息子がたこ焼きデビューを果たした。
父と母が公園の売店で買った6個入りのたこ焼きを見て、「オイラもほしい」「そのとんがったの(楊枝)でちょうだい」となったのだ。そうやってこの世界のいろいろを見て聞いて感じて、彼なりに味わっていくんだろうな。

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8月19日(木)

駅の裏をママチャリで走っている。
大きな建物の改装(もしくは解体)工事をしている現場を見かけ、アレここにこんなに大きな建物なんてあったかな?と思った。よく通っている道なのに、そこに何があったか思い出せない。見ているようで見ていないもの、知っているようで知らないもの、そういうものことがわたしは他にもいっぱいあるんだろう。

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8月20日(金)

母の買い物メモの解読をしている。
トマト、MIXベジタブル、さば、米ゆ(米油)まではわかった。あと一つ書いてあるのだけど、それがもう読もうにも読めない。日本語に筆記体があるならこんな感じだろうか。とうとう妹が「お母さん、なにこれ?」と聞くと、「なっとう」と返ってきた。絶対わからない。

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