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2)斎場とお役所と…葬式までの話

1.

病院で亡くなった場合、遺体は一度家に戻すのかと思っていましたが、今は自宅で葬儀を行わない場合が多く、病院から斎場に連絡し、関係者が来て打ち合わせしてそのまま斎場まで運んでいくのが普通とのことでした。
(まー確かに、遺体はあっちこっちに何度も動かすもんじゃないか(・_・;))

祖父、祖母は実家で見送ったものの、今はご近所にもその手の葬儀を行う家はなく、実家に戻った自分は、その足で自転車で20分くらいの斎場へ向かいました。

斎場の受付で名前を言うと、びしっと正装した係員が恭しく「このたびは…」という定型文の後、地下の霊安室まで案内してくれました。

ひんやりとした、意外に広い霊安室には、白い布をかぶせた台と棺、花とお焼香セットが置かれていました。少し顔を見せてもらって、安らかな寝顔にどこかほっとし、焼香して家に戻りました。

2.

死亡診断書』は病院から(何枚かコピーを取って置くと後で役に立つ)、『死亡届』→『火葬許可証』など葬儀の手配は葬儀屋さんがやってくれました。

通夜は2日後。親戚はまだ来ないし、母は休んでるので、手持ち無沙汰になった自分は、住民票やら何やらの手続きを聞きにお役所へ行きました。

区の出張所はいつも通り空いていて、死亡の手続きを聞くと、

『お父さんが、そう…で、いつ亡くなったの? 今日!? それでもう(役所に)来たの?

窓口の男の人に露骨に驚かれました。もしかしたらゆっくり来た方が、外聞的に良かったのかも……とちょっと情けない気分になりました。実のところ、戸籍に死亡が反映されるまでに1週間程度かかるらしいです。

それでも2、3枚の記入提出する書類をもらって、住民票だけでなく、健康保険、年金、全部の手続きが必要と言われました。思い出したように、

『健康保険から葬祭費としてお金が出るから、きちんと手続きした方がいいよ!お葬式のハガキとか取っておいてね(←喪主に振り込まれるから)』

と付け加えられ、礼を言って帰りました。後から聞いた話では、『きちんと手続き』しない人が案外多いらしいです。

自分はもらえるものはもらいたいので、こういう手続きは怠りなくやろう!と決意したのですが……この辺りが、一年にわたる長ーいお役所との付き合いの始まりとなりました。

3.

お通夜、お葬式は大過なく終わりました。

久しぶりに会った親戚が、皆老けて色が変わってたり、意外な人が来たり、政治家の人が来て『香典を出すわけにはいかないので(公職選挙法違反)×××させてください』と話してたり、なるほど葬式は映画の題材になるくらいのエンタメだなーと感心しました。

火葬場は少し遠いので、ミニバスとタクシーに分乗して言って帰って、全部終わって実家に戻った時は、家族は皆精根尽き果ててました。とにかくこの2、3日でめっきり老け込んでしまった母に食事して休んでもらった後、自分もすぐ横になりました。

その日は、夕方からの雨もあったせいか、持病の偏頭痛がひどくて、やっと終わった、とそれしか考えられませんでした。


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